グレイフェズは剣を鞘に収めると身構えた。

 (剣術じゃ動きが鈍る。体術で行くか、魔法擬きを使うにも……その方が対処しやすいしな)

 そう思いながらグレイフェズは、ムドルの動きをみている。

 (さあ、グレイ……。体術で、どこまで私と……やり合えるのでしょうか。前の喧嘩の時のようには、流石に行きませんよ)

 ムドルはそう思いグレイフェズを警戒しながら間合いを取った。

 お互い警戒をしている。とその時、グレイフェズが動いた。

 グレイフェズはムドルに殴りかかる。それを難なくムドルはかわした。

 それと同時にムドルは、素早く右足でグレイフェズの横っ腹に目掛け蹴ろうとする。

 だがそれを予測していたグレイフェズは、すかさず体勢を低くし避けるとムドルの右脚を押し上げた。

 体勢を崩したムドルは尻餅をつく。

 間髪入れずグレイフェズは、ムドルを抑え込むため腹の上に乗ろうとする。

 ムドルは即座に反動で起き上がりながら、両脚でグレイフェズの腹を蹴ろうとした。

 それに気づきグレイフェズは、ムドルの両脚を掴み横へと転がる。その反動でムドルは持ち上げられ、そのまま地面に叩きつけられた。

 「グ、ハッ!? ゲホゲホ、ゲホッ……クッ……」

 ムドルは血を吐いた。そしてグレイフェズを、キッと睨んだ。

 すかさずグレイフェズは、ムドルの腹を蹴り上げようとする。

 それに気づきムドルは、即座にグレイフェズの右足を掴んだ。

 その拍子にグレイフェズは、ひっくり返る。

 ムドルはグレイフェズの右足を掴んだまま素早く起き上がった。それと同時に、グレイフェズを右の壁まで渾身の力で放り投げる。

 グレイフェズは空中で体勢を整えようとするが間に合わず、そのまま壁に激突した。

 「……ゲホ、ゲホゲホッ……ツゥ……」

 フラフラしながらもグレイフェズは、立ち上がろうとする。

 それをムドルが待ってくれる訳もなく……。

 素早くグレイフェズの所までくると、ムドルは腹を蹴り上げた。と同時に、跳び上がる。

 ムドルは空中でグレイフェズを掴まえた。

 「これで、終わりだ。意外と呆気なかったな」

 そう言いムドルは、グレイフェズを下に叩きつけようとする。

 それを聞きグレイフェズは、キッとムドルを睨む。

 「クソッ、させるかよ!」

 そしてグレイフェズは、すかさず手に炎を纏い無造作にムドルの体に触れた。

 「アツッ……」

 そう叫びムドルは、グレイフェズを離す。

 グレイフェズは空中で体勢を整えながら床に着地する。だが、よろけて膝をついた。

 その間ムドルは、服についた炎を消しながら床に降り立つ。

 「やってくれるな。悪あがきか、まぁ……そうじゃなきゃ面白くない」

 そう言われグレイフェズは、ムドルを虚ろな目で睨みみる。

 (体力に、防御力の差。クソッ、能力を解放できれば……俺の方が。どうやって、ムドルを倒したらいいんだ? 戦闘センスと経験も違い過ぎる)

 そう思いグレイフェズは、ムドルをみながら立ち上がる。

 「ああ、まだだ。ムドル……絶対に、お前を倒すっ!!」

 「それは、オレのセリフだっ!」

 そう言い二人は、身構えると睨み合う。

 そしてグレイフェズとムドルは、お互い向かって行ったのだった。