ここはカロムの屋敷。

 私とメーメルは、マリリサの案内で自分たち用の部屋にきた。

 使用人の部屋の割には、フワフワした可愛い雰囲気だ。

 これってカロムの趣味なのだろうかと思い苦笑する。

 トラットは部屋に入るなり私の手から離れ、フワフワのソファーへと向かう。そしてソファーに跳び乗ると、体を丸め寝てしまった。

 マリリサは異空間からメイド服一式を二着とり出して、私とメーメルにくれる。

 可愛いフリルの付いた水色のメイド服だ。

 「ルイにメーメル。その服に着替えたら、仕事の内容を教えます」

 「はい! これ可愛い服ですね」

 「そうね。カロム様の趣味らしいのですけど」

 そうマリリサは言い苦笑いをする。

 そうこう話しながら私とメーメルは、メイド服に着替えた。

 「着替えましたね。では屋敷内を案内しながら、仕事の説明をします」

 そう言いマリリサは部屋をでる。私とメーメルは、そのあとを追った。



 ――場所は、ティハイドの屋敷の地下に移る――


 あれからグレイフェズ達三人は、カロムと地下にある広い闘技場のような部屋に来ていた。

 ティハイドは、隣の部屋から窓越しで様子をみている。

 部屋の中央までくるとカロムが話し始めた。

 「さて、一人ずつ試験を行います。誰からにしますか?」

 「そうだな……少し待ってくれませんか? 相談したいので」

 そうグレイフェズが言うとカロムは頷く。

 「いいでしょう。ですが、手短にお願いしますよ」

 それを聞き三人は頷き話し合う。

 「どうする?」

 「グレイ、オレが先に行く!」

 「ベルべスクが……大丈夫か?」

 そうムドルに問われ頷いた。

 「まだ対戦方法を告げられてねぇ。ならオレが、適任だろう」

 「ベルべスクが、適任……どういう事だ?」

 グレイフェズは不思議に思い聞き返す。

 「……なるほど、確かにな。お前の方が、冷静に対処できる」

 「そういう事だ。まぁ、みててくれや」

 そうベルべスクが言うとムドルは頷いた。

 だがグレイフェズは納得できていない。なんでベルべスクが冷静に対処できるのか分らなかった。

 「どういう事か、分からん。だが、ムドルが大丈夫だと思ったなら……問題ないか。それで、二番手は?」

 「さて、どうしましょう。オレが行きますか?」

 「……そうだな、ムドルの方がいいか。俺が、って言いたいけどな」

 そう言いグレイフェズはカロムの方を向く。

 「決まりましたか?」

 「ああ、オレが最初だ!」

 「ベルべスクが、最初ですか」

 カロムはそう言いベルべスクをみた。

 「では、試験の内容を説明します」

 そう言いカロムは、試験の内容を説明し始める。

 そして三人は、その説明を聞いていたのだった。