ここはカロムの屋敷の書斎。

 カロムは椅子に座り机上の書類をみながら考えていた。

 それは泪の紹介状だ。

 (猫……なぜ、この世界にいる? それに、ルイ・メイノ……まさかな。異世界の者……だが、あの反応は……。
 猫の存在を、全く知らないようだった。しかし……もしそうだとしたら、あの時まずかったか。猫と言ったこと……。あのルイが、転移者だったらな)

 そう思いながら机上に両肘をつき頭を抱える。

 カロムの左腕は義手だ。だが義手は錬金術で作られており、スムーズじゃないけれど動かせた。

 (……俺が転生者だという事は、誰も知らない。そもそも、面倒だから言うつもりはないがな。
 それにしても……よりにもよって、猫か。まさか、転生してまで猫アレルギーが……。普通、肉体が違うのだからアレルギーなんかでるはずはない)

 そう考えている。


 カロムは異世界からの転生者だ。そうティハイドの配下になる前に、転生前の記憶を思い出した。そして色々あり今に至る。

 まぁそのことは、またの機会という事で……。


 カロムは立ち上がり窓際に向かう。

 「まぁいい。ルイが転移者だとしても、俺には関係ない」

 そう言い窓の外を覗いていた。

 そうこうしているとグレイフェズ達がくる。

 その後カロムは、グレイフェズ達の面接を簡単に済ませた。そして三人を連れて、ティハイドの屋敷に向かう。


 ▼△★▽▲☆▼△


 しばらく歩きグレイフェズ達とカロムは、ティハイドの屋敷にくる。


 そしてここは、ティハイドの書斎。

 ここにはグレイフェズとムドルとベルべスクとカロムとティハイドがいた。

 グレイフェズ達は、ティハイドと対面し話をしていた。

 ティハイドは椅子に座り三枚の紹介状をみている。その後、目の前に立っているグレイフェズ達の方へ視線を向けた。

 因みにカロムはティハイドの隣に立っており、グレイフェズ達をみている。

 「三人か。みた感じ……お前たちは、知り合いのようだな」

 そうティハイドが問うとグレイフェズ達は頷いた。

 「はい。ムドルとベルべスクとは、他の町のギルドで知り合い……一緒に旅をしています」

 「なるほど。気が合う仲間、という事か。この依頼も、三人でと思っているようだな」

 「それは、どういう事だ? 三人では、駄目なのか」

 そうムドルが聞くとティハイドは首を横に振る。

 「いいや、問題ない。ただ、聞いただけだ。そうだな、大丈夫だろう。だが、お前たちの強さを知りたい」

 「……なるほど、護衛を任せるのに弱いと困るってことか」

 そう言いベルべスクはティハイドをみた。

 「そうなるな。カロム、お前が相手をしろ!」

 「承知しました。ですが、どこで試験を行いましょう?」

 「ひと気がない方がいい。そうなると……屋敷の、地下を使うか」

 それを聞きカロムは頷く。

 「それが、良いかと。では、早速……行いたいと思います」

 そう言いカロムはティハイドに一礼する。その後グレイフェズ達を地下へと連れて行った。

 それを確認するとティハイドは、少し考えたあと自分も地下に向かう。