ここはタータム草原から遥か先にあるアムグの森。

 現在、泪とグレイフェズは森の中を歩いていた。

 そう、食べられそうな食材を探しているのだ。

 そんな中、フワリフワリと雪が降り始める。

 「うわぁ〜……グレイ、この世界にも雪が降るんだね」

 「ルイの世界でも、雪って言うのか?」

 「うん、こっちでもそう言うんだね」

 そう話をしながら泪とグレイフェズは、雪が降る中を歩いていた。

 「ブルッ……寒い。なんか急に冷えてきたね」

 「そうだな。少し休むか」

 グレイフェズは、キョロキョロし休めそうな所を探し始める。

 「あそこに洞窟がある。雪がやむまで、そこで休むか」

 そう言われ泪は、コクリと頷いた。

 それを確認するとグレイフェズは、泪の手を引き洞窟へと向かう。

 その時の二人の顔は、言うまでもなく赤くなっていた。


 ▼△★▽▲☆▼△


 洞窟内。グレイフェズは、魔法のランタンに明かりを灯すと地面におく。

 その後、薪の代わりになりそうなものを周囲から集めてきた。それに火をつけ、寒さを凌ぐことにする。

 二人は洞窟の岩壁に寄りかかり地面に座った。お互い隣り合わせで……。

 「ルイ、寒くないか?」

 「うん、さっきよりは寒くないけど……」

 「そうか……」

 そう言いながらグレイフェズは、泪を自分の方に抱き寄せる。

 「あーえっと……グレイ?」

 「今は黙ってろ」

 グレイフェズはそう言い泪をみつめた。

 「う、うん……」

 そう頷き泪は、顔をさらに赤く染める。

 (カァ!! どうしよう……この状況……。胸の鼓動が鳴り止まない。でも、グレイが好き。それなら……)

 そう思いながらグレイフェズに視線を向けた。

 二人の目と目が合う。

 グレイフェズが泪の唇にキスをしようとする。とその時、キルリアがグレイフェズに飛びかかった。

 「うわぁぁぁ〜……やめろぉ〜!!」

 そう叫びグレイフェズはキルリアを投げ飛ばす。

 「……」

 それをみた泪は、何も言えなくなり目が点になる。

 「ルイさん、大丈夫ですか?」

 それを聞き泪は、声のする方を向いた。

 「あ、ムドルさん」

 「雪が降ってきましたので、心配になり……来て正解でしたね」

 そう言いムドルは、グレイフェズを鋭い眼光で睨んだ。

 「くる必要、なかったと思うんだが!」

 グレイフェズは不貞腐れムドルをみる。

 「さて、どうでしょうか……」

 その後、グレイフェズとムドルが言い合いになり喧嘩になったのは言うまでもなく……。

 二人の喧嘩は、ムドルのあとを追ってきたメーメルがとめる。

 そうこうしてると雪が止んだ。

 そして泪たちは、滞在しているマキルガ村の宿屋に戻って行ったのだった。