グレイフェズは紫の怪物との間合いをとった。
(やっぱり無理か……だが、そんなこと言ってられねえ。とにかくこれ以上、先に行かせないようにしないとな。それにしても、他に方法がないのか)
そうこう考えているとムドルがグレイフェズのそばまでくる。
「ムドル、どうした。何かあったのか?」
「あったというか……今、あの怪物と話をしてきました」
「話をって!? 会話ができるのか……それで、なんて言ってたんだ?」
そう聞かれムドルは紫の怪物が言っていたことを話した。
「……そうか。俺たちは、勇者を恨むしかなさそうだ。だが、そこまで勇者は追い込まれていたってことだよな」
「そうなりますね。そういう文献は、村に残っていなかったのですか?」
「いや、残ってなかった。憶測だが、恐らく知られたくなかったんじゃないのか」
そう言いながらグレイフェズは、紫の怪物を見据える。
「確かに、私でも……そうするかもしれません」
「そういう事だ。ってことは、俺たちの手で……どうにかしないとな」
「できるかは、分かりませんが……やりますか」
そう言うとムドルとグレイフェズは、お互い見合い頷いた。
その後グレイフェズとムドルは、紫の怪物へと攻撃を仕掛けていく。
一方メーメルは、どう攻撃するか悩んでいる。
(妾の力で、どこまで戦えるのじゃ。うむ、そうじゃない……どう戦うかじゃな)
そう思い紫の怪物をみつめると、弓を持つように構えた。
《闇の弓 魔でできし物 我の手へ現れ出でよ!!》
そう魔族語で唱えると手元に魔法陣が展開される。それと同時に、多彩な宝石が至る所に散りばめられた漆黒の弓が手元に現れた。それを構え直し、更に魔族語で詠唱する。
《闇なる漆黒の矢 魔でできし物 我が手へ現れ出でよ!!》
そう言い放つと手元に魔法陣が展開され漆黒の矢が現れた。
それを確認すると……。
《闇なる魔法 漆黒の風 我、命ず 弓に纏い 敵を射抜け!!》
再び、そう魔族語で唱える。すると、漆黒の風が現れ矢を覆った。
それと同時に……。
《ダークハリケーンアタック!!》
そう魔族語で魔法を唱えると、漆黒の風をまとった矢を放つ。その漆黒の矢は、無数に増えながら紫の怪物の胸へと向かう。
紫の怪物の胸のあたりに、漆黒の矢が当たっていく。と同時に漆黒の風が無数に現れる。
それらは紫の怪物を覆い、一つに纏まっていき大きな渦を巻いた。
だが紫の怪物は大きく体を振るい、その風の大渦を軽々と払い除ける。
「……やはり無理なのじゃ。さて、次は何で攻撃するかのう」
そう言うと紫の怪物を見上げ考え込んだ。
(やっぱり無理か……だが、そんなこと言ってられねえ。とにかくこれ以上、先に行かせないようにしないとな。それにしても、他に方法がないのか)
そうこう考えているとムドルがグレイフェズのそばまでくる。
「ムドル、どうした。何かあったのか?」
「あったというか……今、あの怪物と話をしてきました」
「話をって!? 会話ができるのか……それで、なんて言ってたんだ?」
そう聞かれムドルは紫の怪物が言っていたことを話した。
「……そうか。俺たちは、勇者を恨むしかなさそうだ。だが、そこまで勇者は追い込まれていたってことだよな」
「そうなりますね。そういう文献は、村に残っていなかったのですか?」
「いや、残ってなかった。憶測だが、恐らく知られたくなかったんじゃないのか」
そう言いながらグレイフェズは、紫の怪物を見据える。
「確かに、私でも……そうするかもしれません」
「そういう事だ。ってことは、俺たちの手で……どうにかしないとな」
「できるかは、分かりませんが……やりますか」
そう言うとムドルとグレイフェズは、お互い見合い頷いた。
その後グレイフェズとムドルは、紫の怪物へと攻撃を仕掛けていく。
一方メーメルは、どう攻撃するか悩んでいる。
(妾の力で、どこまで戦えるのじゃ。うむ、そうじゃない……どう戦うかじゃな)
そう思い紫の怪物をみつめると、弓を持つように構えた。
《闇の弓 魔でできし物 我の手へ現れ出でよ!!》
そう魔族語で唱えると手元に魔法陣が展開される。それと同時に、多彩な宝石が至る所に散りばめられた漆黒の弓が手元に現れた。それを構え直し、更に魔族語で詠唱する。
《闇なる漆黒の矢 魔でできし物 我が手へ現れ出でよ!!》
そう言い放つと手元に魔法陣が展開され漆黒の矢が現れた。
それを確認すると……。
《闇なる魔法 漆黒の風 我、命ず 弓に纏い 敵を射抜け!!》
再び、そう魔族語で唱える。すると、漆黒の風が現れ矢を覆った。
それと同時に……。
《ダークハリケーンアタック!!》
そう魔族語で魔法を唱えると、漆黒の風をまとった矢を放つ。その漆黒の矢は、無数に増えながら紫の怪物の胸へと向かう。
紫の怪物の胸のあたりに、漆黒の矢が当たっていく。と同時に漆黒の風が無数に現れる。
それらは紫の怪物を覆い、一つに纏まっていき大きな渦を巻いた。
だが紫の怪物は大きく体を振るい、その風の大渦を軽々と払い除ける。
「……やはり無理なのじゃ。さて、次は何で攻撃するかのう」
そう言うと紫の怪物を見上げ考え込んだ。