ここはバールドア城の広場。ベルべスクは、向かいくるデビルミストの群れを睨み見据える。

 (さっきのような魔法は、何度も使えねぇ。大量に魔力を消費するからな。そうなると……どうする?
 デビルミストだけじゃねぇ……異界の怪物や魔獣も居る。それを、どう倒せばいい……)

 そうこう考えていたが、埒が明かないと思い直した。

 「とりあえず、魔力を最低限に抑えて数を多く放つ。……それしかねぇ」

 ベルべスクはそう言い杖を持ち身構える。そして魔族語で詠唱しようとした。とその時、異界の怪物の鉄の棍棒がベルべスクの背中に直撃する。

 「グハッ……」

 そのままベルべスクは前に倒れ込む。

 「……やべぇ、油断した。……立たねぇと、やられる!」

 背中を押さえながら立ち上がろうとする。

 異界の怪物は近くまで来ていた。

 「クソッ、間に合わねぇ!?」

 そう思ったその時……目の前にグレイフェズが、息を切らし異界の怪物の前に立ちはだかる。そして大剣を構え直すと、異界の怪物を斬った。すると異界の怪物は、バタンと倒れ消滅する。

 ベルべスクはそれをみて、ホッと胸を撫で下ろした。

 「おい!? 何、ボーっと考え込んでる。死にたいなら、別だけどな」

 「……そうだな。悪い、そういえば……以前に似たようなことをムドルにも言われた。ホントに、お前たち似てるな」

 「そうか……まぁいい。それよりも、動けるか?」

 そう問われベルべスクは頷く。

 「ああ、なんとかな。オレは、昔から撃たれ強いから大丈夫だ。散々、ムドルに鍛えられた」

 そう言いよろけながら立ち上がる。

 「それならいいが、無理するなよ」

 「グレイフェズ、お前もな。かなり無理してるんじゃねぇのか?」

 「そうかもな。だが、限界なんて言ってられねえだろう。この状況を、どうにかしなきゃならない」

 グレイフェズはそう言うと、遥か向こうに居るデビルミストの群れを見据えた。

 「そうだな。これ以上、お前に負担かけられねぇみたいだ」

 「そうしてくれると助かる。俺も、なんとかしないとな」

 そう言いお互い見合い頷く。その後グレイフェズは、自分の持ち場に戻っていった。

 「ああは、言ったが。流石に、さっきの一撃は効いてる。だが、なんとかしなきゃな」

 苦痛の表情を浮かべ、デビルミストの方に視線を向ける。

 その後ベルべスクは何度も召喚魔法を使い、デビルミストの群れと異界の怪物や魔獣を倒していった。

 片やグレイフェズも、デビルミストの群れを技を使い大剣で斬っていく。

 だが……それでも減ることはない。そして段々、二人の体力と魔力が尽きて来ていた。