私はプレートを急いで操作した。


 どのスキルを使ったらいいの? デビルミストを調べる? ううん、違う。じゃあ、あの怪物を調べた方がいいのかな? それも違うと思うし……。


 そう考えながらデビルミストの群れとその怪物をみる。

 「……!? そうか……」

 私は気づいた。怪物とデビルミストの両方を調べればいいんだという事に……。


 そうなると見極めレベル6かなぁ。複数を調べるのって、これしかないし。プレートを更新すれば、何か覚えてるかも知れない。
 だけど、そんな余裕なんてないし。あ、そうだ! あと念のためにプローブも使っておこう。


 使うスキルが決まると私はグレイ達に確認しないで即、行動に移した。

 怪物とデビルミストの群れの方に両手を翳す。

 《プローブ!!》《見極めレベル6!!》

 「あの怪物とデビルミストの群れについて教えて!!」

 そう言い放った。すると私の両手が発光し魔法陣が展開される。それと同時に、両手から無数のビームのようなものが放たれた。

 そのビームのようなものは、怪物とデビルミストの群れに当たっていく。

 それを確認した私は、プレートの方をみる。


 情報が書き込まれてる。だけど、これって……一応グレイ達にみせた方がいいよね。余り気がのらないけど……。


 私はグレイにプレートを渡した。プレートをみてグレイは、険しい表情になる。

 「嘘だろう。なんだよ、あり得ねえ。これじゃ、何の解決にもならない」

 そう言いグレイは頭を抱えた。

 グレイの持っているプレートを覗きムドルさんは、難しい表情になる。

 「これは……倒せない、なんて……。そんなの……何も打つ手がない、一つも」

 そう言いムドルさんも頭を抱えた。

 「うむ、どうするのじゃ。まだあの怪物とデビルミストは、融合しておらぬが」

 「そうだな。やれるだけのこと……するしかねえか」

 「そうですね。あの怪物がデビルミストと融合する前に、なんとか阻止しなければ」

 それを聞きグレイは頷く。

 「ああ、そうだな。ルイとメーメルとベルべスクは、変わらず作業を続行してくれ」

 「分かった……そうする。だけど二人共、無理しないでね」

 「極力そうする」

 グレイはそう言い私をみつめる。

 「そうですね。できればですが……」

 悲しそうな表情でムドルさんは私をみた。

 「ムドル、死ぬんじゃねぇぞ。いいな!!」

 「ベルべスク、分かっていますよ」

 そう言いムドルさんは頷く。

 「じゃあ、行くか」

 「ええ、行きましょう」

 そう言い二人は怪物とデビルミストの群れの方へと向かう。

 私は二人のことを心配に思い目で追った。

 その後、私とメーメルとベルべスクは持ち場に戻る。

 そして再び私は、人々から寄生と憑依の追い出し作業をしたのだった。