ここはバールドア城。そして、城の二階にある広場が見渡せる場所。
あれからカイルディとレグノスは、ここにくるなり広場の現状をみて驚いていた。
「これは……なんという事でしょう。あの五人の者たちのお陰か、被害が半減しています」
「はい、ですが確実に二人は魔族。これは、どういう事なのでしょうか?」
「そうですね。確かに、不自然な組み合わせ。それに、魔族以外の三人のうちの一人が使った能力ですが」
そう言いながらカイルディは、ムドルの方に視線を向ける。
「あれは、恐らく初代聖女が使っていた能力のはずです。以前、聖女について調べていた時にそのことが記載されていた」
「それでは、まさかあの獣人のような男。初代聖女の血縁者なのですか?」
「そうかもしれません。あと気になるのが、あの二人ですね。一人は女性、身なりは違いますが……どことなくルイ様のようにもみえる」
そう言いカイルディは、泪の動きを目で追っていた。
「ルイ様? いったい、それは誰なのですか」
「そうでしたね。ルイ様のことは、陛下とクベイル様と私しか知らないこと」
カイルディはそう言うと泪のことを話し始める。
「ルイ様は聖女であるキヨミ様とこの世界に召喚されて来ました。と言っても私が、召喚したのですが……」
「では、あの者は異世界の者。ですがそうだとして、なぜあそこに……それに……」
「国の財政は分かっていますね」
そう聞かれレグノスは頷いた。
「ええ、それと関係があるのですか?」
「ええ、流石に二人も城にはおけません。それにルイ様は聖女ではない。それなら、なんなのか? それが分からないまま、ここに居て頂くことは無理ですので」
「という事は、城から追放した。ですが……流石に、一人でってことはありませんよね?」
そう言われカイルディはレグノスの方に視線を向ける。
「勿論です。一人では何かと困ると思いましたので、騎士団五番隊のグレイフェズを監視役につけました」
「グレイフェズを、ですか。良くクレファスが首を縦に振りましたね」
「流石に嫌な顔をされましたが。任務という口実で納得させました」
そう言いカイルディは再び広場の方を向いた。
「そういう事ですか。ですが、もしあの広場に居る者がルイ様だとして……グレイフェズはどこに?」
「そうなのです。それに、気になるのが……もう一人の男の方です。ローブで下の装備が良くみえません。ですが、グレイの装備に似ています」
「そういえば……。ですが、髪の色も……それにあそこまで強くはなかったはず」
そう言いレグノスは、難しい顔でグレイフェズに視線を向ける。
「そうですね。この城に居た時の実力では、厄災を倒せるほどの力があるようにみえませんでした」
「もしそうだとして……なぜ髪の色が?」
「分かりません。確認さえできれば良いのですが……この状況では無理です。それに、みている限り……五番隊はあの者たちの邪魔になりますね」
そう言いカイルディは悩む。
「確かに、我々の兵が居れば余計あの者たちに負担がかかる」
「そうなれば、厄災を排除できる確率が減ります」
「では撤退させた方が……」
そうレグノスが言うとカイルディは、後ろの扉の方に体を向ける。
「私はこのことを陛下とクベイル様に伝えてきます。レグノスは、急ぎクレファスに撤退するように伝えてください」
「承知しました。急ぎ向かいたいと思います」
レグノスは一礼すると、急ぎクレファスの居るであろう場所へ向かう。
それを確認するとカイルディは執務室に向かい歩き出した。
あれからカイルディとレグノスは、ここにくるなり広場の現状をみて驚いていた。
「これは……なんという事でしょう。あの五人の者たちのお陰か、被害が半減しています」
「はい、ですが確実に二人は魔族。これは、どういう事なのでしょうか?」
「そうですね。確かに、不自然な組み合わせ。それに、魔族以外の三人のうちの一人が使った能力ですが」
そう言いながらカイルディは、ムドルの方に視線を向ける。
「あれは、恐らく初代聖女が使っていた能力のはずです。以前、聖女について調べていた時にそのことが記載されていた」
「それでは、まさかあの獣人のような男。初代聖女の血縁者なのですか?」
「そうかもしれません。あと気になるのが、あの二人ですね。一人は女性、身なりは違いますが……どことなくルイ様のようにもみえる」
そう言いカイルディは、泪の動きを目で追っていた。
「ルイ様? いったい、それは誰なのですか」
「そうでしたね。ルイ様のことは、陛下とクベイル様と私しか知らないこと」
カイルディはそう言うと泪のことを話し始める。
「ルイ様は聖女であるキヨミ様とこの世界に召喚されて来ました。と言っても私が、召喚したのですが……」
「では、あの者は異世界の者。ですがそうだとして、なぜあそこに……それに……」
「国の財政は分かっていますね」
そう聞かれレグノスは頷いた。
「ええ、それと関係があるのですか?」
「ええ、流石に二人も城にはおけません。それにルイ様は聖女ではない。それなら、なんなのか? それが分からないまま、ここに居て頂くことは無理ですので」
「という事は、城から追放した。ですが……流石に、一人でってことはありませんよね?」
そう言われカイルディはレグノスの方に視線を向ける。
「勿論です。一人では何かと困ると思いましたので、騎士団五番隊のグレイフェズを監視役につけました」
「グレイフェズを、ですか。良くクレファスが首を縦に振りましたね」
「流石に嫌な顔をされましたが。任務という口実で納得させました」
そう言いカイルディは再び広場の方を向いた。
「そういう事ですか。ですが、もしあの広場に居る者がルイ様だとして……グレイフェズはどこに?」
「そうなのです。それに、気になるのが……もう一人の男の方です。ローブで下の装備が良くみえません。ですが、グレイの装備に似ています」
「そういえば……。ですが、髪の色も……それにあそこまで強くはなかったはず」
そう言いレグノスは、難しい顔でグレイフェズに視線を向ける。
「そうですね。この城に居た時の実力では、厄災を倒せるほどの力があるようにみえませんでした」
「もしそうだとして……なぜ髪の色が?」
「分かりません。確認さえできれば良いのですが……この状況では無理です。それに、みている限り……五番隊はあの者たちの邪魔になりますね」
そう言いカイルディは悩む。
「確かに、我々の兵が居れば余計あの者たちに負担がかかる」
「そうなれば、厄災を排除できる確率が減ります」
「では撤退させた方が……」
そうレグノスが言うとカイルディは、後ろの扉の方に体を向ける。
「私はこのことを陛下とクベイル様に伝えてきます。レグノスは、急ぎクレファスに撤退するように伝えてください」
「承知しました。急ぎ向かいたいと思います」
レグノスは一礼すると、急ぎクレファスの居るであろう場所へ向かう。
それを確認するとカイルディは執務室に向かい歩き出した。