ここはバールドア城の広場。泪たちは、必死に厄災と戦っていた。
だが、一向に減る様子はない。特に異界の怪物や魔獣などの強さが、増しているようにもみえる。
(……やはり、おかしい。自分の体力が落ちたのだと一瞬、思ってしまいましたが……明らかにあの怪物や魔獣が強くなっています)
そう思いながら、一本の角と二本の長く鋭い牙を持つ白い虎のような魔獣と戦っていた。
その白い虎のような魔獣はムドルに飛びかかる。
ムドルはそれを避けようとジャンプした。しかし白い虎のような魔獣は、身軽にジャンプし鋭い爪が生えた右前足でムドルを地面に叩き落す。
「グハッ!?」
地面に落下しムドルは、全身を強打する。そして、体の数ヶ所に傷を負い血が滲み出た。
(このままじゃ、まずいです。どうしたら……。流石に、勝てる気がしません。ですが、なんとか動いて倒さなければ)
そう思い体を動かそうとする。
「うっ……」
だが、体が思うように動かない。
ムドルが起き上がるのを待ってくれる訳もなく……白い虎のような魔獣は、ムドルに飛びかかる。
それに気づいたグレイフェズの体が咄嗟に動いた。
「ドリャアァァアアア――――」
そう叫び白い虎のような魔獣を見据えジャンプする。それと同時に、その反動を使い白い虎のような魔獣に目掛け思いっきり大剣を振り下ろした。
白い虎のような魔獣は、グレイフェズが振り下ろした大剣の刃により胴体を真っ二つに斬られる。そして、その場に倒れ息絶えた。
グレイフェズは体勢を立て直しムドルに視線を向ける。
「ジジイ、何やってんだ?」
そう意地悪気味に言う。
「クッ、だれが……ジジイですか!? まだそんなに歳はくっていません! 人間からすれば、そうなのでしょうが……」
そう言い返すもムドルは、やはり歳のことを気にしているようだ。
「そうだな……。まだ、やれるか?」
「ええ、今のは……油断しましたが。問題ありません!」
ムドルは口角を上げグレイフェズを見据える。
「それならいい。だが、無理はするなよ」
「そうですね。グレイに借りを返さないまま死ねませんし」
それを聞きグレイフェズは、ニヤリと笑う。その後また持ち場に戻っていった。
その様子をみながらムドルは、ゆっくりと立ち上がる。
(クッ……ああは言いましたが、流石にキツいです。さて、どうしましょうか)
そうこう考えているうちにも、異界の怪物や魔獣はあとからあとから湧いてきた。
「考えている余裕を与えてくれないとは、面白いじゃないですか」
ムドルの表情が一変する。というよりも“プツン”と、何かがキレた。
そうこの状況に対し、今まで保っていた理性が吹き飛んだのだ。
「さて、やるとしますか」
そう言いムドルは、自分に向かってくる魔獣を見据える。
そして、ニヤリと笑みを浮かべ身構えたのだった。
だが、一向に減る様子はない。特に異界の怪物や魔獣などの強さが、増しているようにもみえる。
(……やはり、おかしい。自分の体力が落ちたのだと一瞬、思ってしまいましたが……明らかにあの怪物や魔獣が強くなっています)
そう思いながら、一本の角と二本の長く鋭い牙を持つ白い虎のような魔獣と戦っていた。
その白い虎のような魔獣はムドルに飛びかかる。
ムドルはそれを避けようとジャンプした。しかし白い虎のような魔獣は、身軽にジャンプし鋭い爪が生えた右前足でムドルを地面に叩き落す。
「グハッ!?」
地面に落下しムドルは、全身を強打する。そして、体の数ヶ所に傷を負い血が滲み出た。
(このままじゃ、まずいです。どうしたら……。流石に、勝てる気がしません。ですが、なんとか動いて倒さなければ)
そう思い体を動かそうとする。
「うっ……」
だが、体が思うように動かない。
ムドルが起き上がるのを待ってくれる訳もなく……白い虎のような魔獣は、ムドルに飛びかかる。
それに気づいたグレイフェズの体が咄嗟に動いた。
「ドリャアァァアアア――――」
そう叫び白い虎のような魔獣を見据えジャンプする。それと同時に、その反動を使い白い虎のような魔獣に目掛け思いっきり大剣を振り下ろした。
白い虎のような魔獣は、グレイフェズが振り下ろした大剣の刃により胴体を真っ二つに斬られる。そして、その場に倒れ息絶えた。
グレイフェズは体勢を立て直しムドルに視線を向ける。
「ジジイ、何やってんだ?」
そう意地悪気味に言う。
「クッ、だれが……ジジイですか!? まだそんなに歳はくっていません! 人間からすれば、そうなのでしょうが……」
そう言い返すもムドルは、やはり歳のことを気にしているようだ。
「そうだな……。まだ、やれるか?」
「ええ、今のは……油断しましたが。問題ありません!」
ムドルは口角を上げグレイフェズを見据える。
「それならいい。だが、無理はするなよ」
「そうですね。グレイに借りを返さないまま死ねませんし」
それを聞きグレイフェズは、ニヤリと笑う。その後また持ち場に戻っていった。
その様子をみながらムドルは、ゆっくりと立ち上がる。
(クッ……ああは言いましたが、流石にキツいです。さて、どうしましょうか)
そうこう考えているうちにも、異界の怪物や魔獣はあとからあとから湧いてきた。
「考えている余裕を与えてくれないとは、面白いじゃないですか」
ムドルの表情が一変する。というよりも“プツン”と、何かがキレた。
そうこの状況に対し、今まで保っていた理性が吹き飛んだのだ。
「さて、やるとしますか」
そう言いムドルは、自分に向かってくる魔獣を見据える。
そして、ニヤリと笑みを浮かべ身構えたのだった。