ここはバールドア城の執務室。こんな時だというのにカルゼアとクレファスは、まだ言い合いをしていた。
「それなら言わせて頂きます。なぜ陛下は、ここを撤退しないと言われるのでしょうか? そこまで意地になることもないと思うのですが!」
「クレファス、言わずとも分かるのではないのか?」
「いいえ、言って頂かないと分かりません!」
それを言われカルゼアは下を向き考える。
「陛下、クレファスの言う通りだと思われます。そこまで……」
「カイルディ……。クッ、そうだな。口にするのが、ただ恥ずかしかった。クレファスのように、ハッキリと気持ちを言えれば良いのだが」
「そうでした……陛下は、口下手でしたね」
クベイルにそう言われカルゼアは、溜息をついたあと口を開いた。
「クレファス、お前と似ている思いだ。私はこの国が好き……いや、この国の者たちを愛しておる。だから、可能ならば皆を助けたい」
「ですが、それは……」
そうクレファスが発言しようとしたその時……ノックされ扉が開く。
「た、大変です! ハァハァ……広場に……」
そう言いながら兵士が息を切らし入ってくる。その兵士は騎士団、五番隊の者だ。
「どうした。何があったのだ!?」
クレファスはその兵士のそばまで歩み寄った。
「隊長!? そ、それが……」
その兵士は広場で何が起きているのかを、詳しく説明し始める。
「広場で戦っている者たちがいるだと!?」
それを聞きレグノスはクレファスのそばまできた。
「それはどういう事だ?」
「レグノス、俺にも良く分からん。だが、あり得ない。アレは厄災かもしれない……いや、違うとしても無理だ」
「でも、戦っているのは事実。それで、その者たちは真面に戦えているのですか?」
そう言いながらカイルディが歩み寄る。
「はい、そのようです。いったい、何者なのでしょう。もし……本当に、アレを倒しているのが事実なのであれば」
「クレファス……それならまだ、勝算はあるかもしれん」
話が気になったカルゼアは、そう言いながらそばまできた。そのあとをクベイルが追いそばまでくる。
「陛下、そうかもしれません。しかし実際、広場の現状をみて判断しなければ……なんとも言えないかと」
「クレファスの言う通り……私も、広場の現状がどうなっているのか知る必要があるかと」
「それでは!?」
そうクレファスが問うとカルゼアは頷いた。
「それがいい。その者たちが何者か分からぬ。だが戦況、次第では……」
「そうなるでしょう。我々も、その者たちの援助をしなければなりません」
「うむ、クレファス。まだどのぐらい五番隊が生き残っているかは分からぬ。だが居る者だけで、五番隊を動かせ」
そうカルゼアに言われクレファスは、コクリと頷く。
「私の部隊も向かいたいのですが?」
「そうだな。レグノス、お前はカイルディと戦況を伺え! それ次第では、お前の隊にも広場に向かってもらう」
「承知いたしました。その指示の通り、行動いたします」
それを聞きカルゼアは頷きカイルディの方を向いた。
「カイルディ、それで良いのだな」
「はい、それで宜しいかと。では、向かいたいと思いますので……失礼いたします」
そう言いカイルディは軽く会釈し執務室をあとにする。
一礼をしレグノスはカイルディのあとを追った。
「では広場に向かいたいと思いますので……」
クレファスは一礼をして兵士と共に広場へと向かう。
それを確認したカルゼアとクベイルは元の席に戻る。
そしてその後、二人は席に着き吉報を待ったのだった。
「それなら言わせて頂きます。なぜ陛下は、ここを撤退しないと言われるのでしょうか? そこまで意地になることもないと思うのですが!」
「クレファス、言わずとも分かるのではないのか?」
「いいえ、言って頂かないと分かりません!」
それを言われカルゼアは下を向き考える。
「陛下、クレファスの言う通りだと思われます。そこまで……」
「カイルディ……。クッ、そうだな。口にするのが、ただ恥ずかしかった。クレファスのように、ハッキリと気持ちを言えれば良いのだが」
「そうでした……陛下は、口下手でしたね」
クベイルにそう言われカルゼアは、溜息をついたあと口を開いた。
「クレファス、お前と似ている思いだ。私はこの国が好き……いや、この国の者たちを愛しておる。だから、可能ならば皆を助けたい」
「ですが、それは……」
そうクレファスが発言しようとしたその時……ノックされ扉が開く。
「た、大変です! ハァハァ……広場に……」
そう言いながら兵士が息を切らし入ってくる。その兵士は騎士団、五番隊の者だ。
「どうした。何があったのだ!?」
クレファスはその兵士のそばまで歩み寄った。
「隊長!? そ、それが……」
その兵士は広場で何が起きているのかを、詳しく説明し始める。
「広場で戦っている者たちがいるだと!?」
それを聞きレグノスはクレファスのそばまできた。
「それはどういう事だ?」
「レグノス、俺にも良く分からん。だが、あり得ない。アレは厄災かもしれない……いや、違うとしても無理だ」
「でも、戦っているのは事実。それで、その者たちは真面に戦えているのですか?」
そう言いながらカイルディが歩み寄る。
「はい、そのようです。いったい、何者なのでしょう。もし……本当に、アレを倒しているのが事実なのであれば」
「クレファス……それならまだ、勝算はあるかもしれん」
話が気になったカルゼアは、そう言いながらそばまできた。そのあとをクベイルが追いそばまでくる。
「陛下、そうかもしれません。しかし実際、広場の現状をみて判断しなければ……なんとも言えないかと」
「クレファスの言う通り……私も、広場の現状がどうなっているのか知る必要があるかと」
「それでは!?」
そうクレファスが問うとカルゼアは頷いた。
「それがいい。その者たちが何者か分からぬ。だが戦況、次第では……」
「そうなるでしょう。我々も、その者たちの援助をしなければなりません」
「うむ、クレファス。まだどのぐらい五番隊が生き残っているかは分からぬ。だが居る者だけで、五番隊を動かせ」
そうカルゼアに言われクレファスは、コクリと頷く。
「私の部隊も向かいたいのですが?」
「そうだな。レグノス、お前はカイルディと戦況を伺え! それ次第では、お前の隊にも広場に向かってもらう」
「承知いたしました。その指示の通り、行動いたします」
それを聞きカルゼアは頷きカイルディの方を向いた。
「カイルディ、それで良いのだな」
「はい、それで宜しいかと。では、向かいたいと思いますので……失礼いたします」
そう言いカイルディは軽く会釈し執務室をあとにする。
一礼をしレグノスはカイルディのあとを追った。
「では広場に向かいたいと思いますので……」
クレファスは一礼をして兵士と共に広場へと向かう。
それを確認したカルゼアとクベイルは元の席に戻る。
そしてその後、二人は席に着き吉報を待ったのだった。