ここはバールドア城の広場が見渡せる場所。カイルディや城の兵士たちは、広場の騒ぎを聞きつけここに来ていた。
「これはどういう事でしょう!? あれは、いったい……。まさか、あれが厄災? そうだとしたら……急ぎ、このことを知らせなければ!」
カイルディはこの場を兵士たちに見張らせ、急ぎ大臣クベイルが居る書斎へ向かう。
――場所は変わり、バールドア城の門付近――
メーメルは呆然とその光景をみている。
(やはり、間に合わなかったのじゃ。また繰り返されるのか、あの悲劇が……)
そう思いながら我先と押し除けていく民衆を、ただただつらそうな表情で眺めていた。
(うむ、これでは厄災よりも人間同士での被害の方が甚大じゃな。さて、どうするかのう……)
メーメルは悩んだ。このまま民衆に紛れて中に入れば、確実に厄災の餌食になりかねない。しかし泪たちと合流しなければと、そう考えていた。
(いつまでも、ここに居られないのじゃ。でもどうやって、合流したらいいかのう)
そう考える。だが別のルートがないかと、この場を離れ東側の城壁の方に向かってみた。
――場面は変わり、バールドア城の広場――
広場内の至る所には、色々なタイプの厄災が解き放たれている。民衆はパニックになり、自分だけ逃げようと駆け出し他人を踏んでも気づかないほどだ。
余りにも、みていられない光景である。
そんな中デビルミストは、人間に憑依していく。憑りつかれた者は、蹲る。その後、唸り始めた。そして、憑依された者の体の筋肉が隆起していく。
片や植物のタイプは、種を無作為に飛ばす。その種が付着した者の体は、黒く変色する。それと同時に、体の至る所から芽が生えてきた。
その生え伸びる芽は、その者の体を覆い尽くし包み込む。……繭のようである。そしてその繭のようなものは、黒い霧状なもので覆われていた。
その他の厄災は、魔法陣から現れ多種多様な異界の怪物へと変化する。
その怪物は広場の至る所で暴れた。だがそれを倒せる者は、ここに居ない。
民衆は……ただただ恐怖し逃げる者。動けない者は……なすすべなく、その場で怪物の餌食になってしまう有様だ。
このままでは、この城の者だけじゃなく他にも被害が及ぶだろう。
しかし今だに泪たちが動く気配は、一向にみえない。
更に被害は拡大していく。この状況を泪たちは、どうしようというのであろうか。
――場所は、広場の東にある小屋の中に移る――
私は自分のプレートを急ぎみていた。どれがいいのか確認していると、グレイとムドルさんの言い合う声が聞こえてくる。
「ムドル、なんで魔族の姿で戦わないんだ!」
「私が魔族の姿で戦ったとしても厄災を倒せません。それに更に混乱が起きます。それよりもグレイが、本来の姿になって戦ったらどうなんですか?」
「それは……無理なことぐらい分かってるはずだ!」
そう言いムドルさんを睨んだ。
「ああ、そうでした。能力が真面に使えないのでした、ね」
ムドルさんはそう言うと睨み返している。
私はそんな場合じゃないだろうと思った。だけど自分も、早くこの状況に合うスキルを探さないとと考える。
「これはどういう事でしょう!? あれは、いったい……。まさか、あれが厄災? そうだとしたら……急ぎ、このことを知らせなければ!」
カイルディはこの場を兵士たちに見張らせ、急ぎ大臣クベイルが居る書斎へ向かう。
――場所は変わり、バールドア城の門付近――
メーメルは呆然とその光景をみている。
(やはり、間に合わなかったのじゃ。また繰り返されるのか、あの悲劇が……)
そう思いながら我先と押し除けていく民衆を、ただただつらそうな表情で眺めていた。
(うむ、これでは厄災よりも人間同士での被害の方が甚大じゃな。さて、どうするかのう……)
メーメルは悩んだ。このまま民衆に紛れて中に入れば、確実に厄災の餌食になりかねない。しかし泪たちと合流しなければと、そう考えていた。
(いつまでも、ここに居られないのじゃ。でもどうやって、合流したらいいかのう)
そう考える。だが別のルートがないかと、この場を離れ東側の城壁の方に向かってみた。
――場面は変わり、バールドア城の広場――
広場内の至る所には、色々なタイプの厄災が解き放たれている。民衆はパニックになり、自分だけ逃げようと駆け出し他人を踏んでも気づかないほどだ。
余りにも、みていられない光景である。
そんな中デビルミストは、人間に憑依していく。憑りつかれた者は、蹲る。その後、唸り始めた。そして、憑依された者の体の筋肉が隆起していく。
片や植物のタイプは、種を無作為に飛ばす。その種が付着した者の体は、黒く変色する。それと同時に、体の至る所から芽が生えてきた。
その生え伸びる芽は、その者の体を覆い尽くし包み込む。……繭のようである。そしてその繭のようなものは、黒い霧状なもので覆われていた。
その他の厄災は、魔法陣から現れ多種多様な異界の怪物へと変化する。
その怪物は広場の至る所で暴れた。だがそれを倒せる者は、ここに居ない。
民衆は……ただただ恐怖し逃げる者。動けない者は……なすすべなく、その場で怪物の餌食になってしまう有様だ。
このままでは、この城の者だけじゃなく他にも被害が及ぶだろう。
しかし今だに泪たちが動く気配は、一向にみえない。
更に被害は拡大していく。この状況を泪たちは、どうしようというのであろうか。
――場所は、広場の東にある小屋の中に移る――
私は自分のプレートを急ぎみていた。どれがいいのか確認していると、グレイとムドルさんの言い合う声が聞こえてくる。
「ムドル、なんで魔族の姿で戦わないんだ!」
「私が魔族の姿で戦ったとしても厄災を倒せません。それに更に混乱が起きます。それよりもグレイが、本来の姿になって戦ったらどうなんですか?」
「それは……無理なことぐらい分かってるはずだ!」
そう言いムドルさんを睨んだ。
「ああ、そうでした。能力が真面に使えないのでした、ね」
ムドルさんはそう言うと睨み返している。
私はそんな場合じゃないだろうと思った。だけど自分も、早くこの状況に合うスキルを探さないとと考える。