「ふぁ~」

 ん? ここ、どこだろう……。

 私は、キョロキョロしながら布団をまくり、のそっと起き上がる。

「あー、そうだった。ここ異世界、だっけ。テヘ……ハハハハハ、」

 と、苦笑した。


 あれから私は離れの屋敷に戻ってくる。その後、従者の人が食事を持ってきた。それを食べたあと疲れていたためか、ベッドに横になるとすぐ寝てしまったらしい。


 私はベッドから降りて床に足をつける。そして、ベッドに改めて腰かけた。

 清美どうしてるかなぁ。……大丈夫だよね、しっかりしてるし。
 だけど、清美が聖女か……でもなんで私、その召喚に巻き込まれたんだろう。んー、まぁいいか。考えたって分かんないしね。

 そう考えていると、戸がノックされ従者の人の声が聞こえてくる。

「朝食かな?」

 そう思い扉をあけた。

 その後、私は従者から朝食を受け取るとテーブルに持っていき食べる。



 ――場所は清美がいる部屋へと移り――


 清美は白い豪華なソファーに座りながら本を読んでいた。

(本をいっぱい持って来てくれたけど。これ全部、難しい。それに最初、読めなかったし。だけど、)

 そう思いながらプレートを持ちみる。

(これのお陰で読めるようになった。でも私の能力【聖なる力】って、おおまか過ぎ。実際、どんな能力か分からない。能力の方にも、レベルがあるみたいだし)

 プレートをバックの中に仕舞うと再び考え込む。

(泪、大丈夫かな。カイルディさんが言うには、会えないみたいだし。
 それに泪はいつまでも城に居られないみたいだから……だけど、いつも楽観的だし問題ないよね。ただ、泣き虫だけど……)

 そう考えたあと再び本を読み始めた。そこには、この世界や国のことなどが書かれ聖女についても記されている。

(……聖女か。ここに書かれてるのって、一部みたい。それも、以前この国で召喚した者のみ。
 これを読む限りだと、他でも聖女召喚は行われる可能性がある。ってことは、他の国でも召喚してるかもしれない。
 もしかしたら……なんか、いやな予感がする。気のせいならいいんだけどね)

 清美は本を読み進め更に不安が増す。


 そう、もしかしたら他国と戦争になるんじゃないのかと思ったのだ。

 ……ここに書かれていたこと、かつて各国の聖女同士が争った。また聖女を奪うために国同士の争いが起きたという。そういったことが記載されていたのだ。


 そんなこんなを危惧する。

(私、大丈夫かな? これって、泪の心配してる場合じゃないよ。あー、どうしよう……)

 そう思うと顔面蒼白になり、ガクッと肩を落とす。

 これ以上、本を読みたくなくなる。だが、知る必要もあると思い不安心を抱いたまま読み進めていった。