「ルイ、いけそうか?」

 そう聞かれ私は頷いた。

「成功するかは分からないけど、やってみるね」

 それを聞きグレイとムドルさんは、真剣な顔で頷く。

 私はバールドア城がある方に両手を翳した。

 《遠距離サーチ!!》《見極めレベル3!!》

「厄災の魔法陣を探して!!」

 そう言い放つと私の右手が光った。それと同時に、右手からビームのようなものが無数に放たれる。

 そのビームのようなものは、枝分かれしてバールドア城の方に飛んでいった。

 あとは頭に情報が入ってくるだけだ。だけど、情報が入ってくる様子がない。

「あれ? 変だなぁ。情報が入ってこない」

「どういう事だ? まさか、失敗したんじゃないよな」

「おかしいですね。本当に能力は発動したのですか?」

 そう聞かれ私は頷いた。どうしてだろうと思い考えていると、ベルべスクが私のバッグを指差す。

「バッグが光ってるぞ」

 そう言われ私はバッグをみる。

「あっ、バッグの中で何か光ってるみたい……なんだろう?」

 私はバックの中を覗いた。すると、プレートが発光している。それをみた私は、プレートをバッグから取り出した。そしてグレイ達にみせる。

「どういう事だ? プレートに書き込まれている」

「そうですね。元々こういう仕様なのではないのですか?」

「ううん、違うと思う。だけど、プローブを単独で使った時はプレートに書き込まれたから……」

 そう言うとグレイやムドルさんは首を傾げた。

「どういう事なのかは分からない。だが、プレートに書き込まれているなら……やり易いんじゃないのか?」

「そういえば、そうだね。じゃあ、プレートに書かれている情報をみてみる」

 私はプレートを調べ始めた。


 ちょっと待って! これって急がないと……間に合わないかも。


 そう思い私はプレートを、グレイとムドルさんとベルべスクにみせる。

「これは……おかしい。予定より早められたのか?」

「ベルべスク、その様子じゃ知らなかったみたいですね」

「ああ、まだ時間があったはずだ。だが、早められたとすれば……何かあったのかもしれない。それと仕掛けたヤツらが、撤退する前に早めていったんだろうな」

 ベルべスクはそう言い城の方を向いた。

「急いだ方がいい。だが間に合うか分からない」

「それでもやろうよ。どうにかしないと、このままじゃ……」

「ルイさんの言う通りですね。やれるだけやってみましょう」

 そうムドルさんが言うとベルべスクは嫌そうな顔をする。それをみたムドルさんは、ベルべスクを睨みつけた。

 ベルべスクはそれをみて、ビクッとして怯える。

「そうだな。ここで手をこまねいてもしかたねえ……やるか」

 そうグレイが言うと私たちは頷く。

 そしてその後、私たちは予定の通り、二手に分かれバールドア城に侵入したのだった。