ここはマルべスウム国。スルトバイスの中央部に位置する、ビヒェレン大陸の北西側にある国だ。
この大陸は遥か昔、人間国の領土でありビレブラン帝国が支配していた。だが色々あり、過去に転移してきた勇者と聖女に一度この大陸の首都は壊滅されている。
それもあり人間はこの大陸から別の地に移り住んだ。
そのためこの大陸には魔族のみが住み着いている。そしてこの大陸には三つの国が存在し、その一つがマルべスウムだ。
マルベスウム国には、ほぼ森林はなく岩山に囲まれている。国の北西側の高台には、漆黒の色をしたルべルスト城が建っていた。
その城の地下には、祭壇の部屋がある。この部屋では、数名の魔族の神官が血で描かれた魔法陣の周囲に立っていた。
そこから北側の壁際には濃い紫色の長い髪をした魔族の男が、黒々とした球状の水晶を持ち目の前の魔法陣をみつめている。
この魔族の男性が魔道士長シュウゼル・デスルグだ。
「そろそろ時刻だが、タルキニアの町はどうなっている。ベルべスクが戻ってくる様子も連絡さえない。何かあった訳ではないだろうな」
そうこう考えていると手首の腕輪が光る。そして、魔法陣が展開された。
それに気づきシュウゼルは、腕輪に手を添える。
「ベルべスクか?」
“はい、シュウゼル様”
「そっちはどうなった? ことを済ませたなら戻ってこい」
そうシュウゼルが言う。
“承知いたしました。ですがムドルにみつかってしまい、逃げています。城に転移してしまえば、この計画がダークルスティ国の王にバレてしまうかと”
「なぜ人間国にムドルが……あヤツは厄介だ。お前が逃げ切れるかは分からぬが、できるだけ遠くに逃げろ。それと……しばらく戻ってこなくていい」
“分かりました。そう、させて頂きます”
そう言うとベルべスクは通信を切った。
それを確認するとシュウゼルは、水晶をみながら考え始める。
(ムドルが、なぜあの国にいる。……どこまでこのことについて気づいた。気になる……しかし、ことを起こすことが先だ。このことは、あとで考えるか)
そう思い目線を魔法陣に向けた。
――場所は変わり、タルキニアの町にある市場街の空き家――
あれからムドルさんは、ベルべスクに謝罪させる。そのことに対し私は、許すが恥ずかしくなりメーメルの後ろに隠れた。
その後、ベルべスクに連絡をさせる。
そして現在、ムドルさんはベルべスクと話をしていた。
「……ムドル。本当に大丈夫なんだろうな?」
「ああ、これで大丈夫なはず。シュウゼルは、それほど頭のいいヤツじゃないですから」
「これから、どうするつもりだ?」
そう聞かれムドルさんは、私たちの方を向きみる。
「そうですね。そんなに時間がありません。ですので、急ぎ策を練りましょうか」
そう言いながらムドルさんは、ベルべスクを立たせ腕を掴み私たちの方へ向かってきた。
この大陸は遥か昔、人間国の領土でありビレブラン帝国が支配していた。だが色々あり、過去に転移してきた勇者と聖女に一度この大陸の首都は壊滅されている。
それもあり人間はこの大陸から別の地に移り住んだ。
そのためこの大陸には魔族のみが住み着いている。そしてこの大陸には三つの国が存在し、その一つがマルべスウムだ。
マルベスウム国には、ほぼ森林はなく岩山に囲まれている。国の北西側の高台には、漆黒の色をしたルべルスト城が建っていた。
その城の地下には、祭壇の部屋がある。この部屋では、数名の魔族の神官が血で描かれた魔法陣の周囲に立っていた。
そこから北側の壁際には濃い紫色の長い髪をした魔族の男が、黒々とした球状の水晶を持ち目の前の魔法陣をみつめている。
この魔族の男性が魔道士長シュウゼル・デスルグだ。
「そろそろ時刻だが、タルキニアの町はどうなっている。ベルべスクが戻ってくる様子も連絡さえない。何かあった訳ではないだろうな」
そうこう考えていると手首の腕輪が光る。そして、魔法陣が展開された。
それに気づきシュウゼルは、腕輪に手を添える。
「ベルべスクか?」
“はい、シュウゼル様”
「そっちはどうなった? ことを済ませたなら戻ってこい」
そうシュウゼルが言う。
“承知いたしました。ですがムドルにみつかってしまい、逃げています。城に転移してしまえば、この計画がダークルスティ国の王にバレてしまうかと”
「なぜ人間国にムドルが……あヤツは厄介だ。お前が逃げ切れるかは分からぬが、できるだけ遠くに逃げろ。それと……しばらく戻ってこなくていい」
“分かりました。そう、させて頂きます”
そう言うとベルべスクは通信を切った。
それを確認するとシュウゼルは、水晶をみながら考え始める。
(ムドルが、なぜあの国にいる。……どこまでこのことについて気づいた。気になる……しかし、ことを起こすことが先だ。このことは、あとで考えるか)
そう思い目線を魔法陣に向けた。
――場所は変わり、タルキニアの町にある市場街の空き家――
あれからムドルさんは、ベルべスクに謝罪させる。そのことに対し私は、許すが恥ずかしくなりメーメルの後ろに隠れた。
その後、ベルべスクに連絡をさせる。
そして現在、ムドルさんはベルべスクと話をしていた。
「……ムドル。本当に大丈夫なんだろうな?」
「ああ、これで大丈夫なはず。シュウゼルは、それほど頭のいいヤツじゃないですから」
「これから、どうするつもりだ?」
そう聞かれムドルさんは、私たちの方を向きみる。
「そうですね。そんなに時間がありません。ですので、急ぎ策を練りましょうか」
そう言いながらムドルさんは、ベルべスクを立たせ腕を掴み私たちの方へ向かってきた。