ここはバールドア城の神官カイルディの書斎。

 あれからカイルディとグレイフェズは、ここに来ていた。そして、ソファーに腰かけながら真剣な表情で話している。

「……グレイ。ルイ様なのですが、剣術の方はどうでしょう?」

「そうですね……筋はいいかと、鍛えればなんとかなると思います。それに、まだ十六ですので伸びしろはあるかと」

「なるほど……。それでは、やはり今の段階では戦闘に不向き」

 それを聞きグレイフェズは、ふと泪が言ったことを思い出す。

「ルイの能力なのですが、本当に補助系なのですか?」

「そのはずですが、何か気になることでも?」

「ええ、実は――――」

 グレイフェズは泪が言っていたことを話した。

「うむ、グレイの攻撃がゆっくりにみえそれをかわす。それと、木剣を構えグレイをみたら緑の点が現れた……気になりますね」

 瞼を閉じ考えたあとゆっくり目を開きグレイフェズに視線を向ける。

「……能力と関係があるのでしょうか。グレイ、今の貴方の話だけでは分かりません。そうですね、これは調べる必要があります」

「調べる……ルイに、聞きながらでしょうか?」

「そうなるでしょう。ですが、問題はそれを誰にやってもらうかですね」

 そう言いながらグレイフェズをチラッとみた。

「なるほど……その任務を俺がやれと」

「ええ、その方がいいでしょう。それに、ルイ様はグレイを信頼しているようですし」

「承知しました。ただ、これは内密に動いた方がいいのですか?」

 そう問われカイルディは、どうしたらいいかと考える。

「そうですね……クレファスの方には、詳しく話さずルイ様の監視という事にしましょう。それとその前に、陛下とクベイル様に内密に動くことの許可を頂かないといけません」

「じゃあ、すぐにという事ではないのですね」

「そうなります。ですが、この城にいる間にルイ様のこと何か分かれば……」

 泪がいる離れの屋敷がある方角をみた。

「そうですね。やれるだけのことはしてみます」

「頼みましたよグレイ。ルイ様が聖女でないのは間違いありません。ですが、なぜ巻き込まれこの世界に召喚されて来たのか気になります」

 そう言うとカイルディはグレイフェズを険しい表情でみる。

「私も調べなければなりません。過去に同じような事例がなかったのかと」

「過去に、ですか……」

 グレイは難しい顔で考え込む。

「グレイ、もし何かそのことについて情報が入ったら……」

「了解です。恐らく、この城の外に出てからになるとは思いますが」

 そう言いニャっと口角を上げる。

「その様子だと、宛てがあるようですね」

 コクリとグレイは頷いた。

「知り合いに、情報通がいますので」

「なるほど……。それでは、お願いしますよ」

「分かりました」

 それから少し話したあとグレイフェズは、書斎を出て宿舎へと向かう。

 そしてそれを確認したカイルディは、書斎を出るとクベイルのいる部屋へと向かった。