ここはドラギドラスの洞窟。
ファルスは美鈴の近くに来ると空腹状態を和らげるために治癒補助魔法を唱える。
すると美鈴の顔に赤みが差してきた。それを確認すると美鈴を調べ始める。
(なるほど、これは……。かなりレアな能力。育て方次第で強大な力になる。それなのにスイクラムは始末しようとした。調べればすぐに分かったはずだ。
……ということは、調べなかったのか? でもなぜだ。先程の話を聞く限りだと、他にも異世界から召喚している者たちがいると言っていた。だが、何のためにそんなことを……。
この美鈴を始末しようとした経緯、本人が目覚めたら聞いた方が良さそうだな。それでも分からないようなら、スイクラムに直接聞けばいいかもな)
そう思いながら天井を見上げた。
一方、ドラバルトはムッとした表情でファルスを見据える。
(コイツは何者だ? まさか神と関係する者じゃないよな。だがあり得なくはない。だからどうするってわけでもないが。まぁ見る限り敵対する様子はないようだし大丈夫、か)
そう納得すると、美鈴とファルスの方へと歩き出す。
それを見たミィレインはフワフワ浮きながらドラバルトを追う。
(この状況なら容易く逃げられる。だがドラバルト様と、この先いつまた逢えるかも分からん。ウム、この大陸を離れるまでは一緒に行動するか)
マグドラスはそう思うと洞窟の出入口で待機することにした。
あれこれ悩みながら、ファルスは今後のことを考え始める。
(この世界に干渉してしまった。そうなるとしばらくは自分の世界に帰れない。さて、どうする?)
そう思いながら、美鈴に視線を向けた。
(そうだな。この世界が現状どうなっているのかも気になる。ってことは、この美鈴と行動を共にした方がいいだろうな。
あとは、ゼルウナス様にスイクラムのことを伝えたあと、しばらくホムノオズを留守にする許可を得なければならない。まぁ、報告することは他にもあるが)
そう考えがまとまると、ホムノオズに存在する最高位の守護精霊である炎鳥に思念を送り、理由を説明する。
“--そういう事で、しばらく留守を頼む”
“承知いたしました。お気をつけて……”
“ああ、そうだな。それと、色々やりやすいように、お前に名前を与えておく。”
そう言い、炎鳥の守護精霊に『バイドグレン』と名付けた。
“ありがたき幸せ。では、早速世界を駆け巡り、監視を開始いたしたいと思います。”
バイドグレンはそう言い、交信を切る。
(大丈夫か? 名前のせいか分からないが、やけにせっかちのようだ。まぁ問題ないとは思うが、多分な)
心配になったが、一応は最高位の守護精霊だから大丈夫だろうと思い直した。
その後メッセージ文を脳裏に浮かべ、ゼルウナス宛てに送る。
(これで大丈夫なはずだ。あとは、スイクラムの処置をゼルウナス様がどうなされるかだけだ)
ファルスは美鈴の近くに来ると空腹状態を和らげるために治癒補助魔法を唱える。
すると美鈴の顔に赤みが差してきた。それを確認すると美鈴を調べ始める。
(なるほど、これは……。かなりレアな能力。育て方次第で強大な力になる。それなのにスイクラムは始末しようとした。調べればすぐに分かったはずだ。
……ということは、調べなかったのか? でもなぜだ。先程の話を聞く限りだと、他にも異世界から召喚している者たちがいると言っていた。だが、何のためにそんなことを……。
この美鈴を始末しようとした経緯、本人が目覚めたら聞いた方が良さそうだな。それでも分からないようなら、スイクラムに直接聞けばいいかもな)
そう思いながら天井を見上げた。
一方、ドラバルトはムッとした表情でファルスを見据える。
(コイツは何者だ? まさか神と関係する者じゃないよな。だがあり得なくはない。だからどうするってわけでもないが。まぁ見る限り敵対する様子はないようだし大丈夫、か)
そう納得すると、美鈴とファルスの方へと歩き出す。
それを見たミィレインはフワフワ浮きながらドラバルトを追う。
(この状況なら容易く逃げられる。だがドラバルト様と、この先いつまた逢えるかも分からん。ウム、この大陸を離れるまでは一緒に行動するか)
マグドラスはそう思うと洞窟の出入口で待機することにした。
あれこれ悩みながら、ファルスは今後のことを考え始める。
(この世界に干渉してしまった。そうなるとしばらくは自分の世界に帰れない。さて、どうする?)
そう思いながら、美鈴に視線を向けた。
(そうだな。この世界が現状どうなっているのかも気になる。ってことは、この美鈴と行動を共にした方がいいだろうな。
あとは、ゼルウナス様にスイクラムのことを伝えたあと、しばらくホムノオズを留守にする許可を得なければならない。まぁ、報告することは他にもあるが)
そう考えがまとまると、ホムノオズに存在する最高位の守護精霊である炎鳥に思念を送り、理由を説明する。
“--そういう事で、しばらく留守を頼む”
“承知いたしました。お気をつけて……”
“ああ、そうだな。それと、色々やりやすいように、お前に名前を与えておく。”
そう言い、炎鳥の守護精霊に『バイドグレン』と名付けた。
“ありがたき幸せ。では、早速世界を駆け巡り、監視を開始いたしたいと思います。”
バイドグレンはそう言い、交信を切る。
(大丈夫か? 名前のせいか分からないが、やけにせっかちのようだ。まぁ問題ないとは思うが、多分な)
心配になったが、一応は最高位の守護精霊だから大丈夫だろうと思い直した。
その後メッセージ文を脳裏に浮かべ、ゼルウナス宛てに送る。
(これで大丈夫なはずだ。あとは、スイクラムの処置をゼルウナス様がどうなされるかだけだ)