ここはドラギドラス(ドラバルト)の洞窟。

 あれから美鈴達は、白と青と水色の模様の三毛猫の話を聞いていた。


 __ステータス画面に経験値が表示されていなかった理由それは、クエスト方式でレベルが上がるシステムだからである。そして、そのレベリングシステムは最もレアだ。

 それと美鈴は今までそれらしいクエストをしていなかったためレベルが上がらなかった__


 それを聞き美鈴は「なるほど、」と頷く。

「そっかぁ。じゃあ、レベルが上がったってことは、ステータス画面も……」

 もしかしたらなんか変わってるかもと思い美鈴はステータス画面を開きみる。

「えっ!?」

 ステータス画面をみた美鈴は驚き見直した。

「これどういう事? 一気に【レベル:50】になってる。それに、ステータス画面も黒い板に変化してるし」

「それだけじゃニャいはずよ。各ステータスも変わってると思うんだけど」

 そう言われ美鈴は、ステータス画面をジッとみやる。


【レベル:50 HP:15000 攻撃:10 魔力:5 防御:1000 魅力:10 素早さ:100 属性:闇、無 職業:冒険者 特殊能力:無、解 称号:魔を従えし者 守護精霊:水の猫】

 と、表示されていた。


 ふと美鈴は、ステータス画面の表示されている項目をみて疑問に思う。

「レベルアップと同時に、ステータスも上がって色々と変わってる。それに項目も増えて……」

 そう言いながら白と青と水色の模様の三毛猫に視線を向ける。

「ただ気になるのが、この新しい能力の【解】と称号に書かれている【魔を従えし者】ってどういう事?」

「称号については、そのままの意味ね。まぁ、さっき聞いたことで納得だけど。……特殊能力の【解】かぁ」

 そう言うと「んー」っと考えながら美鈴をジーッとみた。

「なるほど……だけど、珍しいわね。別の能力が解放されるなんて」

「それって、別のスキルってこと?」

「そうね。本来なら、言霊スキルの【無】のままだけ。もしくは、新たな特殊能力が解放された時点で書き換えられる。それにこの能力の【解】は言霊じゃニャいしね」

 それを聞き美鈴はその能力がなんなのか気になった。

「そうなんだね。だけど、この能力が言霊じゃないなら……」

 そう思い改めて自分のステータスをみつめる。

「そうねぇ。その能力は、一日三回まで使えるから試す?」

 そう聞かれ美鈴は、コクリと頷いた。

 それを確認するとその三毛猫は美鈴に【解】の能力の使い方を教える。

「……なるほど。両手で対象物に触って【解】って言えばいいんだね」

「うん、それで対象物が解除される。でもね、対象が生あるものだと能力を使った者に服従。だから、よく考えて使った方がいい」

「そうなんだね。だけど、ここで試すって言うけど。何を解除するの?」

 そう問われその三毛猫は羽根をバタつかせながら、ドラギドラスの姿になっているドラバルトの目の高さまできた。

「んー、魔族に手を貸すのは不本意だけど。どうする……封印、解除して欲しい?」

「ほう、面白い。ミスズの能力で封印が解ける。だが、服従かぁ。うむ、テルマ様は討伐された。となると、そうだなぁ、それもいいかもしれん。それに、これでは外も歩けない」

 それを聞いたその三毛猫は、羽根をバタつかせながら美鈴の眼前まできた。

「と、いう事だけど。どうする?」

「服従ってことは、なんでも言うことを聞いてくれるんだよね」

 そう聞くとその三毛猫は、ウンと頷く。

「分かった。やってみるね」

 美鈴はドラバルトの左足付近に歩み寄る。そしてドラバルトの体に両手を翳した。

 《解っ!!》

 そう言い放つ。するとドラバルトは、一瞬で元の姿へと戻る。

「おお、今度こそは本当に元の姿に戻れたのだな」

 自分の両掌をみながらドラバルトは歓喜あまって涙腺が緩む。

「あーえっと。今度は戻らないんだよね?」

「うん、大丈夫。かなりレアな能力だからね。それに、今までの能力も前より良くなってるはずだよ」

「じゃあ、あとで試してみよう。ていうか、もしかしたらこの【解】の能力で洞窟の扉の封印も解けるんじゃ?」

 そう美鈴が言うとその三毛猫は、ウンと頷いた。

「そうだけど、その前にアタシの名前付けて欲しいのよね」

「名前をウチが?」

 美鈴は不思議に思い小首を傾げる。

「アタシは、貴女の守護精霊。それに、一応ミスズはご主人様なわけ。言いたいこと……分かる?」

「そっかぁ。生まれたてだから、名前を付けてってことね」

「ハァ、近いようで遠い回答ね」

 そう言い呆れた表情を浮かべた。

「うむ、使い魔と同じようなものか。その守護精霊に名前を付けることで服従させるってわけだな」

「ドラバルトの言う通りだけど、使い魔と一緒にされるのは不愉快なんだけど」

 ムッとしドラバルトをジト目でみる。

「そうなんだね。名前かぁ……。青系の三毛子猫で、虹色の羽。そうだなぁ……【ミィレイン】は、どうかな?」

 その三毛猫は、一瞬ドラバルトに挑もうとした。だが名前を付けてもらい挑むのをやめ、美鈴の方に視線を向ける。

「いい名前ね。名前を付けていただきありがとうございます。マイマスター、ミスズ。それで、アタシを使い魔と一緒にしたこの下僕(ドラバルト)をどう料理しましょうか?」

「フンッ、守護精霊ごときに下僕呼ばわりされたくはないっ!!」

「あら、いいの? マスターこの下僕、今後のために少し黙らせましょうよ」

 そう言われ美鈴は慌ててミィレインを捕まえ口を手で塞いだ。

 その様子をみてドラバルトは、してやったりと思いミィレインを見下すようにみやる。

「ミィレインもだけど。ドラバルトも、喧嘩したら一緒に連れてかないよ」

 ドラバルトはそれでもいいと思った瞬間、なぜか動けなくなった。

「……!? これはどういう事だ? なぜ動けない……」

 その場にいたミスズやマグドラスは、ドラバルトに何が起きたのかと不思議に思い首を傾げる。

 ミィレインは美鈴に解放されたあと話し出した。

「恐らく、ミスズの言ったことを放棄しようとしたからね」

「そういう事か。……分かった。ミィレインと喧嘩をしなければいいのだな」

 そう思い動いてみる。すると動けるようになった。

「そういう事ね。アタシも気を付けるわ」

「うん、そうしてくれると助かる。で、洞窟の封印を解くんだよね?」

 そう問いかけるとミィレインとドラバルトとマグドラスは頷く。

 そしてその後美鈴たちは、封印された岩戸へと向かったのだった。