ここはネツオン大陸にあるドラギドラスの洞窟。
____ドサッ! グラグラグラ……__
何かが勢いよく落ちて来た音と共に、洞窟が激しく揺れる。
それと同時に「ギャオォォォォーーーーン!!!!!」っと、周囲を恐怖へと誘うかのような恐ろしい鳴き声が辺りに響く。
ドラギドラスと美鈴はその鳴き声と激しい揺れに驚き飛び起きた。
「えっ!? 何が、」
美鈴はそう言いながらドラギドラスのお腹から転げ落ちる。
「……て、イタッ!!」
「ミスズ、大丈夫かドン?」
驚いて飛び起きたわりにドラギドラスは、ノソノソと上体をゆっくり起こす。
「うん、なんとか大丈夫。だけど、」
そう言いお尻をさすりながら立ち上がりドラギドラスをみたその時。
「……」
恐怖の余り声にならず、血の気が引き凍りつく。
そうドラギドラスの背後に、轟々と燃えさかる炎を体から放出させ怒り狂っている竜が所狭しと立っていたからだ。
美鈴の様子が変なことに気づきドラギドラスは、ゆっくり後ろを振り向く。すると目が飛び出すほどに驚き飛び上がり『ゴン』っと、頭を天井の岩壁に打ちつけた。
ドラギドラスの頭には、プクッと見事なほど大きいタンコブができ膨れる。
「痛いドン……」
痛い頭を触りながらゆっくり立ち上がり目の前の竜、マグドラスの方に視線を向けた。
「なんでマグドラスがここにいるんだドン」
「ムッ、それはこっちのセリフだわいっ! 儂がなんでお前の洞窟に、」
マグドラスは怒りを露にしながらドラギドラスを睨みみる。
「マグドラスが分からないのに、おいらが知るわけがないドン」
そう言い睨み返す。
「フンッ、まあいい。お前とやり合ったところでなんのメリットもないしな。それに、ここはお前の縄張りだ。儂が出ていくのがスジ」
「もしかして自分の洞窟に戻るのかドン。それならここは封印されてて出れないドン」
「何、出れないだとっ!? 封印……グヌヌヌヌ……、誰だっ! 儂をこのような場所に転移させたのはぁぁぁっ!!!!!!」
一時的に平常心を取り戻したマグドラスであったが、この洞窟が封印されていて出れず自分の洞窟に戻れないことを知り激怒する。
そして我を忘れ大きな口を開けると辺りに轟々と燃えさかる業火の炎を吐く。
「待つドンっ!?」
そう言いマグドラスをなだめようとした。
「ええい、うるさいっ!! 破壊してでもここから出る。こんな薄汚い洞窟にいるのは嫌だからなっ!」
見下すような目でドラギドラスをみる。
「薄汚くて悪かったなドン。だけど、どんなに暴れても岩が崩れてかえって狭くなるだけだドン」
ムッとするが、相変わらずマイペースな言葉を返す。
「そんなこと知らんわっ! 儂はどうやってもここから出るんじゃっ!!」
更に怒り出したマグドラスは、ドンとドラギドラスを突き飛ばした。
ドラギドラスは、少しよろける。だが、体勢を立て直しフウっと息を漏らす。
「痛い……って、この様子だと何を言っても無駄だドン。相変わらず、頭に血が上ると手が付けられないドン」
これ以上、何を言っても無理だと思い他にも方法がないかと考え込む。
すると美鈴は、我に返りドラギドラスの方をみた。
「これって、どうなってるの? もしかして、他にもドラゴンがいたってこと」
「ミ、ミスズ。それは違うドン。なぜか分からないけど、誰かがここに転移させたみたいだドン」
「そっか。多分あのケバ女神の仕業だね」
それを聞きドラギドラスは疑問に思う。
「なんで女神様がそんなことするんだドン?」
「んー、これは推測だけどねぇ。--」
そう言うと美鈴は、推測に基づき話し始めた。
__女神スイクラムは、美鈴のことを始末したい。だが、一度ならず二度までも失敗した。
そのためマグドラスをこの洞窟に転移させたのではないのかと……。
その話を聞くとドラギドラスは首を傾げる。
「なんで、そこまでミスズを痛めつけるんだドン?」
「多分、最初は八つ当たりだと思う。だけど、今は……」
なんで自分がこんな酷いめに遭わなければいけないのかと、美鈴は余りにも悔しくて怒りが込み上げてきた。
そうこう話をしてる間にもマグドラスの怒りは更に高揚してくる。そう、炎を吐くだけでは気がすまなくなり暴れ出したのだ。
するとグラグラと激しく揺れ、天井のあちらこちらから岩が崩れ落ちてくる。
美鈴とドラギドラスは、悠長に話をしている場合じゃないことに気づく。
そうこのままじゃ洞窟が崩壊し生き埋めになると思ったからだ。
そんな中、美鈴とドラギドラスは落ちてくる岩を右往左往によけながら、何かいい方法がないかと模索する。
「ヒッ!? ど、どうしよう、」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ……、た、大変だドンっ! そういえば、能力って使えるのかドン?」
そう聞かれ美鈴は、ウンっと頷き自分の能力について説明する。
「言霊の能力……。その力でマグドラスを黙らせることってできないのかドン?」
そう聞かれ美鈴は、一瞬悩むが何かを決心したかのように表情を一変させコクリと首を縦に振る。
「そうだね。ウチの能力で……」
そう言い真剣な表情でマグドラスに視線を向けた。
美鈴は、能力を使いマグドラスをどうにかするとドラギドラスに告げる。
それを聞いたドラギドラスは、能力を使うまでの間、落ちてくる岩が美鈴に当たらないように守りながらマグドラスの動きを監視することにした。
その後美鈴は、能力を使うため両手を前に翳し構える。
(どうしよう、この状況で失敗したら。一度は大丈夫だと思うけど……。あー、そんな暇ないっていうのになんで考えちゃうんだろう。
今はあのドラゴンをどうにかしなきゃならないんだから、)
そう思い心の中で自分に気合いを入れた。
マグドラスの怒りは、未だにおさまる気配もない。そのため洞窟は、更に激しく揺れる。
そして女神スイクラムは、その様子を高笑いしながら水晶を覗きみていた。
__さて美鈴とドラギドラスは、マグドラスを懲らしめてこの洞窟の封印を解き無事に外へと脱出することができるのか……__
____ドサッ! グラグラグラ……__
何かが勢いよく落ちて来た音と共に、洞窟が激しく揺れる。
それと同時に「ギャオォォォォーーーーン!!!!!」っと、周囲を恐怖へと誘うかのような恐ろしい鳴き声が辺りに響く。
ドラギドラスと美鈴はその鳴き声と激しい揺れに驚き飛び起きた。
「えっ!? 何が、」
美鈴はそう言いながらドラギドラスのお腹から転げ落ちる。
「……て、イタッ!!」
「ミスズ、大丈夫かドン?」
驚いて飛び起きたわりにドラギドラスは、ノソノソと上体をゆっくり起こす。
「うん、なんとか大丈夫。だけど、」
そう言いお尻をさすりながら立ち上がりドラギドラスをみたその時。
「……」
恐怖の余り声にならず、血の気が引き凍りつく。
そうドラギドラスの背後に、轟々と燃えさかる炎を体から放出させ怒り狂っている竜が所狭しと立っていたからだ。
美鈴の様子が変なことに気づきドラギドラスは、ゆっくり後ろを振り向く。すると目が飛び出すほどに驚き飛び上がり『ゴン』っと、頭を天井の岩壁に打ちつけた。
ドラギドラスの頭には、プクッと見事なほど大きいタンコブができ膨れる。
「痛いドン……」
痛い頭を触りながらゆっくり立ち上がり目の前の竜、マグドラスの方に視線を向けた。
「なんでマグドラスがここにいるんだドン」
「ムッ、それはこっちのセリフだわいっ! 儂がなんでお前の洞窟に、」
マグドラスは怒りを露にしながらドラギドラスを睨みみる。
「マグドラスが分からないのに、おいらが知るわけがないドン」
そう言い睨み返す。
「フンッ、まあいい。お前とやり合ったところでなんのメリットもないしな。それに、ここはお前の縄張りだ。儂が出ていくのがスジ」
「もしかして自分の洞窟に戻るのかドン。それならここは封印されてて出れないドン」
「何、出れないだとっ!? 封印……グヌヌヌヌ……、誰だっ! 儂をこのような場所に転移させたのはぁぁぁっ!!!!!!」
一時的に平常心を取り戻したマグドラスであったが、この洞窟が封印されていて出れず自分の洞窟に戻れないことを知り激怒する。
そして我を忘れ大きな口を開けると辺りに轟々と燃えさかる業火の炎を吐く。
「待つドンっ!?」
そう言いマグドラスをなだめようとした。
「ええい、うるさいっ!! 破壊してでもここから出る。こんな薄汚い洞窟にいるのは嫌だからなっ!」
見下すような目でドラギドラスをみる。
「薄汚くて悪かったなドン。だけど、どんなに暴れても岩が崩れてかえって狭くなるだけだドン」
ムッとするが、相変わらずマイペースな言葉を返す。
「そんなこと知らんわっ! 儂はどうやってもここから出るんじゃっ!!」
更に怒り出したマグドラスは、ドンとドラギドラスを突き飛ばした。
ドラギドラスは、少しよろける。だが、体勢を立て直しフウっと息を漏らす。
「痛い……って、この様子だと何を言っても無駄だドン。相変わらず、頭に血が上ると手が付けられないドン」
これ以上、何を言っても無理だと思い他にも方法がないかと考え込む。
すると美鈴は、我に返りドラギドラスの方をみた。
「これって、どうなってるの? もしかして、他にもドラゴンがいたってこと」
「ミ、ミスズ。それは違うドン。なぜか分からないけど、誰かがここに転移させたみたいだドン」
「そっか。多分あのケバ女神の仕業だね」
それを聞きドラギドラスは疑問に思う。
「なんで女神様がそんなことするんだドン?」
「んー、これは推測だけどねぇ。--」
そう言うと美鈴は、推測に基づき話し始めた。
__女神スイクラムは、美鈴のことを始末したい。だが、一度ならず二度までも失敗した。
そのためマグドラスをこの洞窟に転移させたのではないのかと……。
その話を聞くとドラギドラスは首を傾げる。
「なんで、そこまでミスズを痛めつけるんだドン?」
「多分、最初は八つ当たりだと思う。だけど、今は……」
なんで自分がこんな酷いめに遭わなければいけないのかと、美鈴は余りにも悔しくて怒りが込み上げてきた。
そうこう話をしてる間にもマグドラスの怒りは更に高揚してくる。そう、炎を吐くだけでは気がすまなくなり暴れ出したのだ。
するとグラグラと激しく揺れ、天井のあちらこちらから岩が崩れ落ちてくる。
美鈴とドラギドラスは、悠長に話をしている場合じゃないことに気づく。
そうこのままじゃ洞窟が崩壊し生き埋めになると思ったからだ。
そんな中、美鈴とドラギドラスは落ちてくる岩を右往左往によけながら、何かいい方法がないかと模索する。
「ヒッ!? ど、どうしよう、」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ……、た、大変だドンっ! そういえば、能力って使えるのかドン?」
そう聞かれ美鈴は、ウンっと頷き自分の能力について説明する。
「言霊の能力……。その力でマグドラスを黙らせることってできないのかドン?」
そう聞かれ美鈴は、一瞬悩むが何かを決心したかのように表情を一変させコクリと首を縦に振る。
「そうだね。ウチの能力で……」
そう言い真剣な表情でマグドラスに視線を向けた。
美鈴は、能力を使いマグドラスをどうにかするとドラギドラスに告げる。
それを聞いたドラギドラスは、能力を使うまでの間、落ちてくる岩が美鈴に当たらないように守りながらマグドラスの動きを監視することにした。
その後美鈴は、能力を使うため両手を前に翳し構える。
(どうしよう、この状況で失敗したら。一度は大丈夫だと思うけど……。あー、そんな暇ないっていうのになんで考えちゃうんだろう。
今はあのドラゴンをどうにかしなきゃならないんだから、)
そう思い心の中で自分に気合いを入れた。
マグドラスの怒りは、未だにおさまる気配もない。そのため洞窟は、更に激しく揺れる。
そして女神スイクラムは、その様子を高笑いしながら水晶を覗きみていた。
__さて美鈴とドラギドラスは、マグドラスを懲らしめてこの洞窟の封印を解き無事に外へと脱出することができるのか……__