ここは、大地を司る女神リアスが管理する、タパルフェトという世界。

 この世界は自然が豊かである。だが、スイラジュンムよりも水が豊富とはいえない。

 そう海というよりも、川で大陸が区切られているような感じだ。

 この世界の住人たちは、同種族間での争いがない。だが、他種族に対して差別が酷く喧嘩や場合によっては戦争になることもある。__

 __そしてこの世界の遥か上空では、ケーキやスイーツのような美味しそうな形の天空城が漂っていた。

 その天空城の中も、あらゆるスイーツを模造したかのようである。


 そしてピンクの髪の可愛らしい女性が、板チョコのような形をした玉座に座りプンスカと怒っていた。

「もぉ~スイスイ(スイクラム)ったらぁ。いつもは即答で返事くれるのに、今回に限って待てってどういうことよぉ」

 そう言い可愛らしい顔を歪ませる。


 このピンクの髪の可愛らしい雰囲気の女性が、大地を司る女神リアスだ。


 リアスは、目の前に手を翳し神語で詠唱する。すると、ハーブのいい香りがするお茶の注がれたティーカップが現れそれを手にとった。

(あーあ、どうしよう。ホントはもっと早くお茶会して、色々と自慢したかったんだけどなぁ)

 そう思い気持ちを落ち着かせようとお茶を口に含んだ瞬間、顔を真っ赤にし体中汗だくになった。

「か、辛いぃぃぃー!!!」

 そう叫び気絶し床にバタンと倒れる。と同時に、持っていたお茶をまともに自分の顔目掛けぶっかけた。

 リアスはお茶の熱さと辛さで、「ヒャッ!?」と奇声をあげとび起きる。

 だが、目覚めるも顔中が赤く腫れあがりヒリヒリして動くのがやっとだ。

(ぐぬぅ、……回復しなきゃ)

 そう思うと即座に神語で回復魔法を詠唱する。

 するとミルミルうちに回復していった。

「アチャー、またやらかしちゃった。てへっ。でも、ここにスイスイがいなくてよかったぁ。いたら絶対なんか言われるもんね」

 リアスは何事もなかったように再び玉座に座る。

(だけど、どうしたんだろう? さっき私宛てに、イケメンの勇者を召喚したってメッセージ送り付けてきたのに。
 だから、それもかねてみんなでお茶会しようとしたんだけどなぁ)

 そう思考を巡らせながら、スイーツのような飾りが至る所についている、宙に浮く球体を覗き自分の世界タパルフェトをみていた。

(……まぁ、いっか、そのうち連絡来るだろうし。それに、あのスイスイがお茶会の誘いを後回しにするぐらい、大変な用ができたんだろうしね。
 それよりも、うちの勇者様はどうしてるかなぁ。あっ! いたいた。おお流石、頑張ってますねぇ)

 そして何もなかったように、ニコニコと満面の笑みを浮かべる。