時が戻り美鈴とヴァウロイは、ライルの側で身構え待機していた。

「ライルさん。時間がないので、今から何をするのか簡単に説明します!」

 そう言うとエリュードの方をみながら、ライルにこれから何をするのかを説明する。

 ライルはそれを聞き、少し考えたあと頷いた。



 一方エリュードは、時が戻ったと同時に即座にゴルイドの攻撃をかわす。

 そして痛い体を庇いながら、ゴルイドとの距離を数十メートル開ける。

「ほう、エリュード。おめぇが、これをかわすとはなぁ。こりゃ、面白くなりそうじゃねぇか!」

 斧を担ぎ余裕な表情で顔をニヤつかせながら、エリュードの側へと向かい歩き出した。

 それをみた美鈴は、急ぎ両手を前に翳しメニュー画面を表示させる。

 すかさず補助と単体を選ぶとスロットボタンを押し、リールが止まるのを不安な面持ちで待った。

 エリュードはゴルイドを警戒しながら、美鈴の方をチラチラとみる。

(つう……いてぇ。まだなのか? どんな文字が表示され、ミスズがそれをどう言葉にするか分からない。だが、ここは信じるしかないよな)



 各々が緊迫している最中。美鈴の目の前に表示されている、メニュー画面のスロットのリールが停止し『双』という文字が表示された。

(これって……えっと、あれしか思いつかないけど。こんなのを、エリュードに付与して大丈夫なのかな?
 ん〜だけど、やり直すわけにもいかないし。こんなこと思いたくないけど、ここでやり直したら失敗したことになる。
 それだと次、失敗したら半日は使えない。そうなると……ってことは、やってみるしかないよね。それに、考えている余裕はないし)

 そう思い美鈴は、両手をエリュードの方に向ける。

 《エリュードに『無双付与』!!》

 ゴルイドに気づかれない程度の小声でそう言い放った。するとその言霊は成功しエリュードにあたる。

 それと同時にエリュードの体から、緑と赤が混ざったようなオーラが放たれた。

 そのオーラは燃え盛る炎の如くエリュードの全身を覆い尽くす。

「う、これは……。な、なんだっ!? 体が痛いはずなのに異常に力が漲ってくる」

(これなら、なんとかなるかもしれない。だが、いったいどんな言霊を俺に付与したんだ?
 でもまぁいい、これでゴルイドを倒すことができる)

 そう思いエリュードは弓を持とうとした。

 だがその瞬間。なぜか異空間のケースにしまっておいた、この世界のレアな大剣【水斬りの刃】が勝手に飛び出しエリュードの手に収まる。

「はぁ? って、いったいどうなってるっ!?」

 そしてエリュードは、何が起きたのか分からず困惑していたのだった。