ここはスイル大草原。美鈴たちは、大きな木から北西の方角に歩いている。

 あれから美鈴とエリュードはヴァウロイの機転のおかげで、なんとか一緒に……もとい、気持ちが落ち着くまでの間少し離れて歩くことにした。


 美鈴の服は、ヴァウロイが魔法を使いどこからか調達してくる。それを受け取り美鈴は着替えた。

 一方エリュードは、異空間にある自分の収納ケースから服を取り出し着替える。


 エリュードの案内で、野宿する場所を探しながらひたすら北西へと向かい歩いていた。

「ねぇ、ヴァウロイ。この花柄のワンピース、少し派手じゃないかな? それに、明るめのオレンジだしさぁ」

「そんなことないニャ。凄く、かわいいと思うのニャ」

「そ、そうかなぁ」

 ヴァウロイにそう言われ美鈴は、嬉しくなり照れながらエリュードの方をチラッとみる。

(エリュード。流石に、まだ気にしてるよね? だけど、ちょっとだけでもみて褒めてくれても……って。
 あれ? ウチ、何を言ってるんだろう。さっきからなんか変だ)

 美鈴は変な妄想をしてしまい、恥ずかしくなり顔を赤らめた。

 エリュードは一瞬、背後から視線を感じたが振り返らず黙々と歩いている。

(ハァ……よりにもよって、なんて日だ。ツイているのかいないのか。いいものをみ……いや、それはどうでもいい。まぁそれは置いといて。
 それよりも、これからどうする? 恐らくヴァウロイは、アイツのご主人様から俺を監視しろと言われたはずだ。
 じゃなければ魔族が許可を出すとも思えない)

 そう思いながら歩いていると、美鈴たちの目の前に小さな湖と林がみえてきた。

「おい、そろそろ着くぞ!」

 エリュードは前を向いたまま美鈴たちに、野宿する場所に着いたことを教える。

「やっと着いたのニャ」

「そうだね。流石に疲れたぁ」

 美鈴は小走りで、小さな湖がある方へと向かった。ヴァウロイは、フワフワ浮きながら美鈴を追いかける。

 そして辺りは、日が沈みかけ暗くなりつつあった。