僕の姉が最近体調があまり良くないらしく、母さんと一緒に姉さんの家に様子を見に行くことにしたんだ。姉は旦那さんと喧嘩しているみたいで今は別居状態なんだって。それで、様子を見に行ってみたら思っていたよりも元気そうで安心した。姉夫婦の持ち家である広い庭付き一戸建てで、今は一人で暮らしているそうだ。
「旦那は出ていったきり帰ってこないの。連絡もないんだ。する気もないけど。」
庭には色とりどりの花で飾られていて、たくさんの花が並んでいた。隅の方で小さい頃からよく見知った花を見つけて、
「あの紫陽花、うちに咲いているものと色が違うね」と何の気なしに言ってみた。
「え？ああ、たぶん肥料をあげすぎたのかも」
「紫陽花は、同じ株でも土地の成分で色が変わるのよ」
姉さんと母さんの声が聞こえて、改めて見てみると確かに少し離れた場所で咲いている紫陽花は同じ咲きかけでも色が違う。
「でも肥料が合わないなら、残りは家で使おうか？ちょうど車で来たから今でも持って帰れるよ」
「そうなの？じゃあ、お願いしようかな。手作りの堆肥だから少し匂うかもしれないけどよろしくね」
その後、姉さんは旦那とは相変わらず連絡が取れないままらしい。
「ちょっと頭が冷えたからもう少し様子を見てみるよ。お母さんにもよろしくね」
様子伺いに電話をしたら、姉さんはしおらしくそう話していた。

「ヒント」旦那は今どこにいる？