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「はじめまして。舞斗の彼女の浅田七彩です。挨拶が遅れてすみませんでした」
チンと、仏壇の鐘を鳴らし、そう言葉を紡いだ私はソっと手を合わせる。
「七彩、わざわざありがとな。母さん喜んでると思う」
「ううん。私もいつか来ないとと思ってたもの」
フルフルと首を横に振り、私は再度仏壇を見つめた。
仏壇の真ん中に飾られた笑顔の女の人の写真は、舞斗の笑顔によく似ている。
あの後、私は手土産を買って舞斗の家を訪れていた。
「今、何か飲み物取ってくるよ。コーヒーでいいか?」
そう言う舞斗に「ありがとう」と声をかける私。
「ゆっくりしといて」
「うん。お構いなく…」
コーヒーの準備をしに台所へ行ってしまった彼の背中を見送った時、我ながら無理を言ったと反省していた。
さすがに迷惑だったよなぁ…。
優しい舞斗は口には出さないだろうが、急にお仕掛けてしまったわけだし…。
なんだかんだ付き合って舞斗の家を訪れるのは初めてで。
普段、実家ぐらしの舞斗の家よりも、一人暮らしの私の家で会うことが多かったのだ。