白シャツに黒のエプロンを身に着けた舞斗は、カフェに来ている女性陣の視線を釘付けにしている。
何で私に教えてくれなかったんだろう。
別にバイトくらい大学生なら普通だし、私だって反対なんかしないのに…。
私に隠していることがあったという事実に、ギュッと胸が締め付けられるように痛くなった。
その時。
フワフワの髪の毛を二つ結びにした可愛らしい女の子が、舞斗に声をかけている姿が目に飛び込んでくる。
どうやら、同じバイトの子らしい。
舞斗と同じ白シャツ、黒エプロンを身に着けた彼女の姿にモヤッとした。
少し距離が離れているため、何を話しているのかわからないが仲よさげに会話をしている2人。
もしかして、あの子がバニラの香りの…。
ううん、証拠もないのに決めつけるのはよくないよ。
フルフルと首を横に振り、勝手な思い込みを否定した。
こんな所で、コソコソしたってしょうがないよね。
決めた…!今からカフェに居る舞斗に突撃してみればいい。その時の反応で…大体察しはつくものね。