どういうこと…?

今まで、香ったことのない匂いに戸惑った。
女子が好んでつけるような甘い匂い…。

思わず私はゴクリと息を呑む。

もしかして…浮気?

香水の匂いが身体に移るなんて、相当側によらないと難しいだろうし…。

幸せそうに眠る舞斗に私は訝しげな視線を送った。

付き合って3ヶ月。
今まで、彼の浮気を疑ったことは1度もなかった。
けど…。

正直、舞斗はかなりモテる。
サラサラの綺麗な黒髪。
キリッとした目元に、端正な顔立ち。
客観的に見て、イケメンの部類に入るだろう。

「七彩ってば、ラッキーだよね!舞斗くんと付き合えるなんて。で、何て告白したの?」

同じ大学の友人から何度かそう尋ねられたこともある。いちいち答えるのが面倒で曖昧に微笑んで返すようにしてたけれど…。

実際のところ、告白したのは私ではなく、舞斗の方からだった。

『…初めて会った時から気になってて…。浅田のこと大事にするから、俺と付き合ってよ』

真っ直ぐに私の瞳を見つめ、真剣な表情を浮かべる彼に心を動かされ、付き合い始めた私。

『大事にする』との言葉通り、この3ヶ月、舞斗と付き合うのはすっごく楽しくて。

でも、心の何処かで私は常に不安を感じていた。