迎との出会いを思い返せば、ついニヤけてしまっていたらしい。目の前の迎が、私のことを不思議そうな目で見ながら、パスタをくるくると器用に片手で巻いている。

 迎は、ボンゴレビアンコ。私はパスタを上手く食べられる気がしなくて、恥をかきたくなくてドリアにした。

「ドリア冷ましてるの?」
「ううん、ちょっと迎との出会いを思い出してた」
「恥ずかしいからやめろよ……かっこつけてただろ俺」
「かっこよかった。王子様かと思った」

 素直に返せば、ボンッと顔を真っ赤に染め上げて、そっぽを向く。可愛いところも知ってきて、ますます好きになるばかりだ。

 ドリアをふぅーふぅーと冷ましてから、一口。迎との存在しない記憶がまた、脳裏に過る。これも、デジャブ?