そろそろ進路を考えなきゃいけない季節になった、高校三年。周りは一気に受験モードに入って、雪も暇さえあれば参考書を開くようになった。正直将来とかクソどうでもいいけど、俺も俺でそろそろはっちゃけるのも止めにしないとなぁと考え始めていた。
「瀬名〜、明日の放課後、二者面談な」
「げぇ」
「卒業後のこと、それなりに考えてこいよ」
 卒業後、卒業後ねぇ…。親は好きなようにやれって言ってくれてるからやりたいことをやろうとは思っているけど、雪とはちゃんと付き合っていきたい。それなりに金稼いで、養っていけるように。いずれプロポーズすることはもう俺の中で決定事項だった。