選ばれた数人の精鋭たちが教えるのだ。

「もしかして、なぜ私が教えているのか、気になりますか?」
「──っ!」

 コルネリアの考えや疑問を見抜いたように、テレーゼはふっと微笑み、そして真っすぐにコルネリアを見つめて語り始めた──


「もともと私は子爵家の娘でした」
「え……?」

 テレーゼの口から放たれた真実はコルネリアに予想だにしない内容であり、思わず瞬きを一つしてその後の動きを忘れるほど驚いた。

「没落したんです。両親がある貴族に騙されて事情に失敗し、そして両親は多額の借金を背負いました」
「……」
「家業である貿易業はすぐに立ち行かなくなりました。船の組員に払う賃金はなく、そして船を売り払い、そして何もなくなりました」

 コルネリアは淡々と語る彼女の話にじっと耳を傾けて、そして目を閉じた。
 そして、彼女は口を開いた。

「それで、ご両親は……?」

 少し聞くのが怖かった言葉をコルネリアは勇気を振り絞って聞いた。
 しかし、その次に聞こえてきた言葉は彼女の中で何パターンか考えた彼女の答えで最も悲惨なものだった。

「死にました」
「……っ!」