「ああ、もともと王族管轄だったものをおじい様が引き継ぎ、僕が当主になったタイミングで再度王族に戻っていた。そこで、教会と孤児院にいる子供たちの様子を定期的に見る仕事をぜひコルネリアにお願いできないかと思ってね」
「私に、でしょうか?」
「ああ」

 コルネリアは自分にそんな大役が務まるのだろうか、と不安に思ったが、それを見越したようにレオンハルトは話を続ける。

「気負わなくていい。ただ子供たちと遊んだり、それからシスターたちと協力してよりよい環境づくりをしてくれたらいいんだ」
「わかりました、やってみます」
「ありがとう!」

 コルネリアのマナー勉強、そして教会や孤児院での手伝いをする日々が始まろうとしていた──



◇◆◇



 王宮内にある謁見の間において、国王と王女クリスティーナが真剣な面持ちで話し合いをしていた。

「では、やはりレオンハルトのあの『呪い』は、ヴァイス公爵家か王族に恨みのある者の仕業かもしれないと」
「はい、恐らく。リュディーの報告だとその可能性が高いとのことで」
「はあ……あまり考えたくはないが、政敵も含めるとかなりの数候補がいるな」