カフェで楽しい時間を過ごした二人はこう夕日が落ちる頃になって、馬車で帰宅する途中だった。
行きはずいぶん緊張したり、外の景色をきょろきょろと見て落ち着きがなかったコルネリアも、帰りは座ってじっと段々変わる景色を眺めていた。
王都のにぎやかな様子から少し変わり、森を抜けて次第にヴァイス公爵家へと近づいて来る。
「レオンハルト様」
「なんだい?」
「私、マナーが習ってみたいです」
急な申し出に思わずレオンハルトもどうしたのかと問いかける。
すると、彼女から真剣な声色で相談を続けられた。
「私はレオンハルト様に離婚していただきたい、と以前申しました」
「ああ」
もしかして、また離婚したくなるほど嫌な思いをしているのではないか、また自分が彼女を不快にさせるようなそんなことをしていたのではないかとレオンハルトは不安になった。
しかし、彼女の口から出た言葉は逆に前向きなものだった──
「アスマン公爵がいらっしゃった時、私は妻として何もすることができませんでした」
行きはずいぶん緊張したり、外の景色をきょろきょろと見て落ち着きがなかったコルネリアも、帰りは座ってじっと段々変わる景色を眺めていた。
王都のにぎやかな様子から少し変わり、森を抜けて次第にヴァイス公爵家へと近づいて来る。
「レオンハルト様」
「なんだい?」
「私、マナーが習ってみたいです」
急な申し出に思わずレオンハルトもどうしたのかと問いかける。
すると、彼女から真剣な声色で相談を続けられた。
「私はレオンハルト様に離婚していただきたい、と以前申しました」
「ああ」
もしかして、また離婚したくなるほど嫌な思いをしているのではないか、また自分が彼女を不快にさせるようなそんなことをしていたのではないかとレオンハルトは不安になった。
しかし、彼女の口から出た言葉は逆に前向きなものだった──
「アスマン公爵がいらっしゃった時、私は妻として何もすることができませんでした」