コルネリアはレオンハルトの後ろから遠慮がちに顔を出すと、お辞儀をして挨拶をする。

「今日は奥様とご一緒でしたか」
「ああ、実は彼女のドレスを見立ててほしくてね。彼女に合うドレスを見繕ってもらえるだろうか」
「かしこまりました。すぐに妻を呼んでまいります」

 そう言うと奥のほうにある扉をコンコンと叩く。
 すると、少しした後で中から男性と同じ年か少し若いくらいの女性が顔を出し、すぐさま二人に挨拶をする。

「レオンハルト様、ご無沙汰しております」
「マダム、今日もお美しいですね。お元気そうで何より」
「身体はきつくなってまいりましたが、まだまだドレスを見立てる腕と目利きには自信があります」

 オーナーの妻はそう言いながら即座にコルネリアの体形と似合う色合い、雰囲気を測ると、奥の方にあるドレスをいくつか出してくる。
 そしてコルネリアのすぐ横にあるラックに、持ってきたドレスを順番に並べると、コルネリアに問いかける。

「奥様、どれかお好きなものや気に入ったものはございますでしょうか?」
「え?」