毛布か何かの下で動いた「それ」は、さらにくるりとこちらを向いた。

(男……の子……?)

 コルネリアの視線の先にいた「それ」は5歳ほどの幼い子供で、すやすやと眠っており、その顔はどこか見覚えのある面影をしている。
 毛布をぎゅっと握り締めるようにして気持ちよさそうに眠っている子供は、コルネリアの視線にも気づかずに寝ていた。
 そのソファで眠る子供が、レオンハルトに似ている気がする、と気づいたコルネリアに一つの考えが浮かんだ。

(公爵様のご子息……?)

 そんな考えが頭をよぎったコルネリアは、どうしていいかわからず、その場に思わず立ち尽くしてしまっていた──