もはや愛情表現が足りなくなった彼女は逆に心がざわざわとして困ってしまう。
 このままでは彼を襲ってしまいそう。
 そう思ってコルネリアはゆっくりとベッドから離れることにした。


「あれ、もう終わり?」
「──!?」

 思わず振り返ると、彼が艶めかしいサファイア色の瞳をこちらに向けている。

「レオンハルト様っ!」
「もう、最近素っ気ないなと思ってたから寂しくて隣に寝に来たのに」
「そ、素っ気ないのはレオンハルト様じゃないですか?」

 少しむっとした表情を浮かべてコルネリアは反論する。
 すると、レオンハルトは申し訳なさそうに目を逸らすと、彼女の元に向かう。

 彼女を勢いよく抱きしめると、ごめんと耳元で呟いた。
 すると、コルネリアは自分の首元が少しヒヤッとしたことに驚いて手をやると、そこには細いチェーンに飾りがあるネックレスがあった。

「レオンハルト様、これは……?」
「昨日は誕生日だから、コルネリアの。これをプレゼントする予定だったんだけど、間に合わなくて。ごめん」

 申し訳なさそうにしゅんとする彼を見て、コルネリアはなんとも彼が愛おしくなった。