なんとなく自分の愛が重すぎるのかもしれない、それで嫌われたのかも、と感じたコルネリアは、押してみるのではなく引いてみる作戦に出た。

(最近レオンハルト様を意識的に避けてみたりしたけど、なんにも反応は変わらないし……)

 そう、結果引いてみても彼の反応は変わらず素っ気ないだけだった。
 それどころか会えない不満だけがコルネリアの中で募ってしまい、もやもやが止まらなかった。

 そーっとレオンハルトの様子を伺うように、シーツから顔をのぞかせると、じーっと彼を見つめてみる。

(本当に綺麗な寝顔……やっぱり好き……)

 もはや心の声がだだ漏れしそうな勢いで呟く。
 鼓動がどんどん早まってどうしようもなく、彼女の中である欲望が渦巻いた。

(ちょっとならいいかな?)

 彼女はゆっくりとレオンハルトに顔を近づけると、そのまま自らの唇を彼の唇にちょんと押し当てる。
 そーっと彼が起きていないか伺う。

「……んっ」
「──っ!」

 少しだけ身体をよじっている彼にびくりと驚くも、彼が再び寝息を立てると安心した。

(……足りない)