婚姻に際して第二王子リストの迎えの船でミストラル国に渡ることになった彼女は、港に来ていた。
大勢の見送りの国民、貴族たちが詰めかけている。
「クリスティーナ様、幸せになってください!」
「ええ、ありがとう」
迎えの船の可動橋を渡って、リストがこちらに歩いて来る。
クリスティーナはカーテシーで挨拶をすると、彼から差し伸べられた手を取って船に向かう。
ふと振り返ると、今まで育ってきた王宮が見えた。
そして皆見送りで手を振っている中に、リュディーはいない──
(やっぱり、来てくれないわよね……)
「どうかしましたか、クリスティーナ様」
「いいえ、なんでもありませんわ」
そう言って手を引く彼についていく。
(さようなら、お父様。お母様。それから、私の初恋の人)
彼女は新たな旅路に一歩踏み出した。
その時、彼女の耳に聞き覚えのある声がした。
「クリスティーナ様っ!!! 行ってはなりませんっ!!!」
「コルネリア!? それに、レオンハルトまで……」
大勢の見送りの国民、貴族たちが詰めかけている。
「クリスティーナ様、幸せになってください!」
「ええ、ありがとう」
迎えの船の可動橋を渡って、リストがこちらに歩いて来る。
クリスティーナはカーテシーで挨拶をすると、彼から差し伸べられた手を取って船に向かう。
ふと振り返ると、今まで育ってきた王宮が見えた。
そして皆見送りで手を振っている中に、リュディーはいない──
(やっぱり、来てくれないわよね……)
「どうかしましたか、クリスティーナ様」
「いいえ、なんでもありませんわ」
そう言って手を引く彼についていく。
(さようなら、お父様。お母様。それから、私の初恋の人)
彼女は新たな旅路に一歩踏み出した。
その時、彼女の耳に聞き覚えのある声がした。
「クリスティーナ様っ!!! 行ってはなりませんっ!!!」
「コルネリア!? それに、レオンハルトまで……」