半ば追い出すようにドアを閉めると、扉にもたれかかる。
その手は震えて、思わずその場に力なくしゃがみ込んでしまう……。
(名前、呼んでくれた……)
あの頃よりも低い声、大人びた表情。
そんな彼に、大好きな彼に名前を呼ばれた。
(嬉しい……)
両手で口元を覆うと、そのまま目をぎゅっと閉じて何度も何度も脳内再生する。
彼女の恋心はあふれ出しそうになっていた──
四六時中一緒にいるわけではないリュディーを、ついつい探してしまう。
(今日は何してるのかしら……)
書庫室から大量の資料を持っていたところ、クリスティーナはリュディーの姿を見つける。
(リュディーだわ!!)
どうやら同僚の騎士団兵といるようで、何か話している。
世間話でもしているのか、久々の再会を喜んでいるのだろうか、そんなことを考えていたが、彼女の考えは甘かったことを知る。
「お前、没落貴族のくせに王女殿下の護衛騎士とか、なんかコネでも使ったんじゃねーの?」
「そうだよな、しかも馴れ馴れしく、クリスティーナ様って名前で呼びやがって」
「ウザいんだよ、その何考えてるかわかんねー顔」
その手は震えて、思わずその場に力なくしゃがみ込んでしまう……。
(名前、呼んでくれた……)
あの頃よりも低い声、大人びた表情。
そんな彼に、大好きな彼に名前を呼ばれた。
(嬉しい……)
両手で口元を覆うと、そのまま目をぎゅっと閉じて何度も何度も脳内再生する。
彼女の恋心はあふれ出しそうになっていた──
四六時中一緒にいるわけではないリュディーを、ついつい探してしまう。
(今日は何してるのかしら……)
書庫室から大量の資料を持っていたところ、クリスティーナはリュディーの姿を見つける。
(リュディーだわ!!)
どうやら同僚の騎士団兵といるようで、何か話している。
世間話でもしているのか、久々の再会を喜んでいるのだろうか、そんなことを考えていたが、彼女の考えは甘かったことを知る。
「お前、没落貴族のくせに王女殿下の護衛騎士とか、なんかコネでも使ったんじゃねーの?」
「そうだよな、しかも馴れ馴れしく、クリスティーナ様って名前で呼びやがって」
「ウザいんだよ、その何考えてるかわかんねー顔」