「王女殿下、国王がお呼びです」
「ええ、すぐに行くわ。それより、また危ないこと、したの?」
「……それが務め、王女殿下をお守りすることが私の今の務めでございます」
王女は美しい金髪を耳にかけて、目の前に跪く彼を見つめる。
シルバーの長い髪を横に束ねた彼は、その瞳を伏せており、彼女のサファイアブルーの瞳を見つめることはない。
「そうね……。ありがとう、お父様のところにすぐに向かうわ」
「かしこまりました」
王女殿下と呼ばれた華奢な彼女が、艶めかしい赤を基調としたドレスを翻して書庫室を退室する。
国王の元に向かう彼女に恭しく跪きながら、顔を下げたまま見送っている彼。
(王女殿下……か)
彼女は自分の名を呼んでほしいと内心思っていたが、それを口にすることはできなかった。
(クリスティーナ……)
跪き、自分に忠実に従う彼の声で脳内再生して、少し顔を赤らめる。
廊下をすれ違う宰相たちは皆彼女に道を開けて、深々と礼をしていた。
自分のプライベートな顔を見せないようにすぐにその赤くなった頬を隠すように扇をかざしながら歩く。
「ええ、すぐに行くわ。それより、また危ないこと、したの?」
「……それが務め、王女殿下をお守りすることが私の今の務めでございます」
王女は美しい金髪を耳にかけて、目の前に跪く彼を見つめる。
シルバーの長い髪を横に束ねた彼は、その瞳を伏せており、彼女のサファイアブルーの瞳を見つめることはない。
「そうね……。ありがとう、お父様のところにすぐに向かうわ」
「かしこまりました」
王女殿下と呼ばれた華奢な彼女が、艶めかしい赤を基調としたドレスを翻して書庫室を退室する。
国王の元に向かう彼女に恭しく跪きながら、顔を下げたまま見送っている彼。
(王女殿下……か)
彼女は自分の名を呼んでほしいと内心思っていたが、それを口にすることはできなかった。
(クリスティーナ……)
跪き、自分に忠実に従う彼の声で脳内再生して、少し顔を赤らめる。
廊下をすれ違う宰相たちは皆彼女に道を開けて、深々と礼をしていた。
自分のプライベートな顔を見せないようにすぐにその赤くなった頬を隠すように扇をかざしながら歩く。