そして二人は食事を食べ始めた…………のだが、コルネリアはスープを飲んだ後、そのまま手が止まってしまった。
どこか身体が痛むのだろうか、と心配するレオンハルトだったが、彼女が手を止めた理由はそこではなかった。
「どうかしたかい? 僕と食べるのが嫌だっただろうか」
「いえ、そうではないのです。その、何といいますか、食べ方がわからないものがありまして」
スプーンやフォークが使えないというわけではない。
彼女が「食べられない」と言うのはただ単に食事をするのではなく、「貴族として最良のマナーの上で」食事ができないと言っている。
レオンハルトは意図を汲んだようで、自分の持っていたスプーンを置いてフォークに持ちかえるとそのままサラダをコルネリアの口元に持っていった。
「……これは、どういうことでしょうか?」
「マナーなんて気にしなくていい。ほら、食べてごらん」
目の前に差し出されるサラダを食べていいのか、それはマナーとしてどうなのかと思ったが、主人であるレオンハルトがそのようにしているのだからそれを受け取るのが正しいと判断して口を開く。
「──っ!」
どこか身体が痛むのだろうか、と心配するレオンハルトだったが、彼女が手を止めた理由はそこではなかった。
「どうかしたかい? 僕と食べるのが嫌だっただろうか」
「いえ、そうではないのです。その、何といいますか、食べ方がわからないものがありまして」
スプーンやフォークが使えないというわけではない。
彼女が「食べられない」と言うのはただ単に食事をするのではなく、「貴族として最良のマナーの上で」食事ができないと言っている。
レオンハルトは意図を汲んだようで、自分の持っていたスプーンを置いてフォークに持ちかえるとそのままサラダをコルネリアの口元に持っていった。
「……これは、どういうことでしょうか?」
「マナーなんて気にしなくていい。ほら、食べてごらん」
目の前に差し出されるサラダを食べていいのか、それはマナーとしてどうなのかと思ったが、主人であるレオンハルトがそのようにしているのだからそれを受け取るのが正しいと判断して口を開く。
「──っ!」