侯爵夫人は馬車から降りると、挨拶をしてコルネリアの元にやってくる。
話を聞くとどうやらコルネリアに用事があってヴァイス邸にいったらしいが、留守だったため引き返したとのことだった。
「それはご足労を……」
「いいえ、ですがお会いできてよかったですわ」
「何かございましたか?」
「実は、お茶会で噂を聞いた程度でしたので、定かかどうかわからず、ひとまず公爵夫人にと思いまして」
「ええ」
そっと扇で隠すようにしながら、侯爵夫人はコルネリアに耳打ちをした。
「実は、隣国の王族が怪しい魔術師らを王宮に囲っているとの噂があるのです」
「え……!?」
彼女が言うにはある令嬢が留学で隣国に訪れていた際に、第二王子と怪しい魔術師が共にいるのを見たとのこと。
令嬢はこの国で少数しかいない魔術を使う一族の子孫であり、魔術の知識があった。
「彼女の見立てでは、黒魔術師の一族だったと」
「──っ!!」
コルネリアの冷や汗は止まらなかった。
黒魔術師の存在、そして彼らが王族と癒着していたとしたら?
話を聞くとどうやらコルネリアに用事があってヴァイス邸にいったらしいが、留守だったため引き返したとのことだった。
「それはご足労を……」
「いいえ、ですがお会いできてよかったですわ」
「何かございましたか?」
「実は、お茶会で噂を聞いた程度でしたので、定かかどうかわからず、ひとまず公爵夫人にと思いまして」
「ええ」
そっと扇で隠すようにしながら、侯爵夫人はコルネリアに耳打ちをした。
「実は、隣国の王族が怪しい魔術師らを王宮に囲っているとの噂があるのです」
「え……!?」
彼女が言うにはある令嬢が留学で隣国に訪れていた際に、第二王子と怪しい魔術師が共にいるのを見たとのこと。
令嬢はこの国で少数しかいない魔術を使う一族の子孫であり、魔術の知識があった。
「彼女の見立てでは、黒魔術師の一族だったと」
「──っ!!」
コルネリアの冷や汗は止まらなかった。
黒魔術師の存在、そして彼らが王族と癒着していたとしたら?