「く、この……」
「ここに彼からもらった報告書、当時の依頼記録、全て揃っています。それに今の証言、ここにいる”皆”が聞いていましたよ」
「なっ!!」

 その瞬間にカリート伯爵を取り囲むように王宮の衛兵たちが部屋のあちらこちらからでて、そして部屋の外からもなだれ込んでくる。

「この……王家の犬が……」
「ん? 何かいいましたか? 私は王家のために働く。そして、妻を傷つけたものに罰を与える。彼女は僕が守る」

 そうレオンハルトが言った直後にはカリート伯爵は取り押さえられ、衛兵に連行されていった。

(ああ、リュディーに借りを返さないとな)

 レオンハルトは窓の外に見える教会に向かって呟いた。

「さあ、あとは君が自分で取り戻すんだ。君自身と向き合うことができるのは、君だけだ」

 彼はそっと部屋を後にした──