(私に彼を想う資格は……)
「コルネリア、私はそれでも……っ!!」
レオンハルトは視線の先にいたコルネリアの違和感に気づいた。
彼女のアメジスト色の綺麗な瞳は赤く染まっており、そして彼女の周りを見えない何かが渦巻いている。
「なんだ……!?」
「わ、たし……は……」
コルネリアの焦点はどこにも合っておらずただ宙を見ている。
隣にいるレオンハルトの声すらも届かない──
「コルネリアっ!!」
「いらない、存在……」
彼女の呟きと共に冷たい風が波動のようにしてレオンハルトを襲う。
「──んぐっ!!」
レオンハルトはコルネリアの発した風に飛ばされて本棚に身体を強く打ち付ける。
背中と肩から全身に走る痛みに耐えながら、レオンハルトは起き上がった。
「まさか、聖女の力が──?」
「…………」
何も発することはなくただ月をぼうっと見つめるコルネリアは、彼の言葉を聞き、焦点を移す。
今までに見たことがない刺すような視線に、レオンハルトはぞくりとする。
コルネリアが一歩一歩とレオンハルトに手をかざしながら迫って来る。
「コルネリア、私はそれでも……っ!!」
レオンハルトは視線の先にいたコルネリアの違和感に気づいた。
彼女のアメジスト色の綺麗な瞳は赤く染まっており、そして彼女の周りを見えない何かが渦巻いている。
「なんだ……!?」
「わ、たし……は……」
コルネリアの焦点はどこにも合っておらずただ宙を見ている。
隣にいるレオンハルトの声すらも届かない──
「コルネリアっ!!」
「いらない、存在……」
彼女の呟きと共に冷たい風が波動のようにしてレオンハルトを襲う。
「──んぐっ!!」
レオンハルトはコルネリアの発した風に飛ばされて本棚に身体を強く打ち付ける。
背中と肩から全身に走る痛みに耐えながら、レオンハルトは起き上がった。
「まさか、聖女の力が──?」
「…………」
何も発することはなくただ月をぼうっと見つめるコルネリアは、彼の言葉を聞き、焦点を移す。
今までに見たことがない刺すような視線に、レオンハルトはぞくりとする。
コルネリアが一歩一歩とレオンハルトに手をかざしながら迫って来る。