そして、レオンハルトの心はまだ”彼女”に捕らわれているのだと悟って、コルネリアはドレスの裾を握り締めた。

「言い出せなくて、ごめん。コルネリア」

 そう絞り出すような細い声で呟く彼の肩にそっと手を置こうとしたが、どうしても置くことができなかった──