「…………」
「クリスティーナ様?」

 クリスティーナは少し伏し目がちになり、目の前にいる情報提供者に礼を言う。

「ありがとう。まさか、彼にバレてるとは思わなかったわ」
「リュディーさんはクリスティーナ様の話をよくしますよ」
「まったく、世話焼きなんだから」

 そう言いながら紅茶をゆっくり飲み干す。
 その顔はほんのりと赤くなっていた──


 アフタヌーティーが終わりに差し掛かった頃、コルネリアはクリスティーナに一つの相談をした。

「クリスティーナ様、レオンハルト様の呪いのことは……」
「ええ、聞いたわ。ありがとう、彼を救ってくれて」
「いいえ、私は慌てふためいて何もできませんでした。なにも……」

 そう言いながら伏し目がちになるコルネリアの手を掬いあげると、柔らかい笑顔で告げる。

「あなたがいなかったら、そのままレオンハルトは死んでしまっていたかもしれない。あなたがいたから一命を取り留めたの」
「クリスティーナ様……」
「大丈夫、彼とあなたのことは必ず私達が守ってみせるわ」
「……?」

 『守る』という意味がわからず、コルネリアは瞬きをして言葉を咀嚼しようとする。