そしてそれを受けて他国へ亡命しようとしたのだが、なんと使用人であったメイドによって隠し金庫に入れていた財産を全て奪われており、どうすることもできなかったのだ。
 さらに悪いことに亡命しようとした動きを王国の影であるリュディーに調べられ、それを王国に報告されていた。

「何か申し開きはあるか?」
「いえ……」

 だらだらと汗が流れ落ちており、どのような処遇を言い渡されるのか恐怖心で溢れているルセック伯爵、そして納得がいかないというような表情を浮かべる伯爵夫人がいる。

 義理とはいえ、自分の父親と母親である彼らを、コルネリアは悲しい目で見つめていた。
 そうだ、この人たちは罪を償わなければならない。

「コルネリアを商売道具として扱った上に、用なしと感じるや否や酷い扱い環境下で生活をさせた。まずこれ自体が虐待罪にあたる、わかるな?」
「……」
「さらに、君を調べるうちにどんどん悪いものが出てきたよ」

 国王がレオンハルトに目を遣ると、私が代わりに話しますと言った様子で資料を片手に話し始めた。

「ルセック伯爵、お久しぶりですね。コルネリアを虐待していた罪、私は許しませんよ?」