レオンハルトは頭を掻きながら目を閉じて気まずそうにすると、クリスティーナは思わず笑ってしまう。

「ふふ、どちらでも結構よ。レオンハルトはもう兄みたいなものですから、呼び捨てでも王女でもなんでも呼び方は構わないわ。でも、ぜひ今度うちでお茶でもしたいわ!」
「わたくしで良ければぜひご一緒させていただきます」

 ドレスの裾を持ってちょこんとお辞儀をすると、クリスティーナは満足そうに笑って、次の挨拶へと向かった。

「クリスティーナも昔はお転婆だったけど、ほんとに最近は国を代表する王女の顔になってきたな」
「ええ、素晴らしい方だとお見受けしました」
「コルネリアと年は変わらないはずだから、よかったら仲良くしてやってほしい。手紙や伝言なら僕が王宮にいった時に伝えられるから」
「ありがとうございます」

 そんな風に言葉を交わしていると、レオンハルトの元にはどんどんと挨拶の波が押し寄せてくる。
 国の宰相やそのご子息、そして侯爵令息など、それはそれは様々な人々が彼のもとに挨拶にとやってきた。