そして、それが彼女の社交界デビューとなる──
◇◆◇
コルネリアとレオンハルトは馬車にしばし揺られて王宮へと向かう。
さすがに緊張をしている表情を浮かべているコルネリアに、レオンハルトは優しく声をかける。
「コルネリア、僕もいるから安心して。何かあれば頼っていいし、基本的に傍にいるようにするから」
「ありがとうございます」
傍にいてもらえる、ということが未知の世界に飛び込むコルネリアにとってどれほどの安心感があっただろうか。
彼女は目を閉じてゆっくりと深呼吸をすると、胸の前に手を当てて祈るようにして自らに誓いを立てる。
(レオンハルト様のお役に立つ。ただ、それだけ)
その思いだけで彼女はマナーを学び、そして今社交界へと足を踏み入れようとしている。
彼女の覚悟に気づいたレオンハルトはそっと見守るように優しい瞳を向けた。
馬車から降りた二人はダンスパーティーの会場へと向かっていく。
王宮でのホールの入り口は大きな階段となっており、レオンハルトはコルネリアを気遣って手を差し出した。
「申し訳ございません」
「いいんだ、僕がエスコートしたいんだよ」
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コルネリアとレオンハルトは馬車にしばし揺られて王宮へと向かう。
さすがに緊張をしている表情を浮かべているコルネリアに、レオンハルトは優しく声をかける。
「コルネリア、僕もいるから安心して。何かあれば頼っていいし、基本的に傍にいるようにするから」
「ありがとうございます」
傍にいてもらえる、ということが未知の世界に飛び込むコルネリアにとってどれほどの安心感があっただろうか。
彼女は目を閉じてゆっくりと深呼吸をすると、胸の前に手を当てて祈るようにして自らに誓いを立てる。
(レオンハルト様のお役に立つ。ただ、それだけ)
その思いだけで彼女はマナーを学び、そして今社交界へと足を踏み入れようとしている。
彼女の覚悟に気づいたレオンハルトはそっと見守るように優しい瞳を向けた。
馬車から降りた二人はダンスパーティーの会場へと向かっていく。
王宮でのホールの入り口は大きな階段となっており、レオンハルトはコルネリアを気遣って手を差し出した。
「申し訳ございません」
「いいんだ、僕がエスコートしたいんだよ」