エリーヌは立ち上がって彼の横に座ると、そっと背中を撫でる。

「アンリ様と話してみます。彼はどう思っているのか、私にできることはないか、探ってみます」
「──っ!! ありがとうございます!」

(過去を知りたい。アンリ様がどんな想いなのか、教えてください)

 エリーヌは目を閉じて彼を想ったあと、その瞳を開いた。
 彼女は覚悟を決めた──