兄弟がいる可能性を考えなかったというよりも、話題に出なかったため思い至らなかった。
エリーヌは両手を揃えて深々をお辞儀をする。
「大変申し遅れました。わたくしはエリーヌ・ブランシェ……いえ、エリーヌ・エマニュエルでございます」
「ふふ、ディルヴァールから聞いてる。それにロザリアからも」
彼が座っていた書斎の机と椅子の少し離れたところにはソファがあり、お茶ができるスペースがあった。
ソファに後ろにある大きな時計の前を通り過ぎて、そのさらに奥にある小さなサイドテーブルに彼は向かう。
「お姉様、よかったらそこのソファにおかけください」
「あ、はい! では……」
彼の言葉に甘えて触り心地の良い高品質なソファに腰を掛けると、緊張で肩が少し上がって膝の上に両手をおとなしく並べてしまう。
そんな様子を見て笑いながら彼は近づいて来る。
「緊張しないでください、よかったらどうぞ」
「あ、ありがとうございます。──っ! 冷たい!」
ルイスが差し出したお茶は冷たく、エリーヌの喉を潤し暑さで火照った身体を冷やしていく。
エリーヌは両手を揃えて深々をお辞儀をする。
「大変申し遅れました。わたくしはエリーヌ・ブランシェ……いえ、エリーヌ・エマニュエルでございます」
「ふふ、ディルヴァールから聞いてる。それにロザリアからも」
彼が座っていた書斎の机と椅子の少し離れたところにはソファがあり、お茶ができるスペースがあった。
ソファに後ろにある大きな時計の前を通り過ぎて、そのさらに奥にある小さなサイドテーブルに彼は向かう。
「お姉様、よかったらそこのソファにおかけください」
「あ、はい! では……」
彼の言葉に甘えて触り心地の良い高品質なソファに腰を掛けると、緊張で肩が少し上がって膝の上に両手をおとなしく並べてしまう。
そんな様子を見て笑いながら彼は近づいて来る。
「緊張しないでください、よかったらどうぞ」
「あ、ありがとうございます。──っ! 冷たい!」
ルイスが差し出したお茶は冷たく、エリーヌの喉を潤し暑さで火照った身体を冷やしていく。