本格的な暑さに突入してきた頃、エリーヌとアンリは木陰で座りながら朝食をとっていた。
小さな木のローテーブルには、この地方での伝統工芸である『シュラース』という技法で編み込まれた竹のカゴがおかれている。
中には夏野菜とミートソースのサンドイッチに、スクランブルエッグを挟んだロールパンなど。
お供には桃のジュースがグラスに注がれており、エリーヌは一口飲んで顔を綻ばせる。
「やっぱり美味しいですね、この地方の野菜や果物は」
「ああ、それは俺も思う。ここは土壌も豊かだし、人々の気質も穏やかだが努力家が多く、いいものへの探求心が強いからな」
「頑張り屋さんということですね」
「そうかもしれないな」
この地方の工芸品について饒舌に、そして楽しそうに話すアンリを見つめてくすりと笑う。
「どうかしたか?」
「ふふ、いえ。本当にアンリ様はここの皆のことを愛していらっしゃるのだな、と」
「あ、あ、愛してる!? いや、別に、そんな愛してる……」
そんな簡単に愛してるなんて言葉が出るのか、なんて小声で言ったが彼女の耳には届いていない。
小さな木のローテーブルには、この地方での伝統工芸である『シュラース』という技法で編み込まれた竹のカゴがおかれている。
中には夏野菜とミートソースのサンドイッチに、スクランブルエッグを挟んだロールパンなど。
お供には桃のジュースがグラスに注がれており、エリーヌは一口飲んで顔を綻ばせる。
「やっぱり美味しいですね、この地方の野菜や果物は」
「ああ、それは俺も思う。ここは土壌も豊かだし、人々の気質も穏やかだが努力家が多く、いいものへの探求心が強いからな」
「頑張り屋さんということですね」
「そうかもしれないな」
この地方の工芸品について饒舌に、そして楽しそうに話すアンリを見つめてくすりと笑う。
「どうかしたか?」
「ふふ、いえ。本当にアンリ様はここの皆のことを愛していらっしゃるのだな、と」
「あ、あ、愛してる!? いや、別に、そんな愛してる……」
そんな簡単に愛してるなんて言葉が出るのか、なんて小声で言ったが彼女の耳には届いていない。