だが、いつもと違って研究に集中できず、しなければならないことは山ほどあるのに考えるのは彼女のことだけ。
──そう、先程会った妻・エリーヌのことである。
(いくつだろうか、若そうに見えたけど……)
アンリは先の月末に誕生日を迎え、26歳になっていた。
純粋そうで、そして綺麗な青い瞳をしている彼女は、性格もよさそうに思える。
机の上にあったピンクの花を取り上げて、そっと匂いを嗅ぐ。
(エリーヌは花は好きだろうか。贈れば喜んでくれるだろうか)
周りを見渡しながら彼女の好きそうな花を探してみる。
あまり大きな花弁のものは似合わないかもしれない、そう思って小ぶりの花を咲かせる珍しい植物の前にいく。
「君はなかなか育たないね」
その花は一度もまだ花を咲かせたことがなく、何度か栄養を与えているが青々とした葉を伸ばすだけでつぼみもできない。
しかし、アンリの知識上これは花を咲かせるものなのだが、何がいけないのか……。
横にあった栄養剤を調合して、霧吹きでまたかけてやる。
「──っ!!」
その時、部屋の外に見える廊下のほうにエリーヌの姿があるのが見えた。
──そう、先程会った妻・エリーヌのことである。
(いくつだろうか、若そうに見えたけど……)
アンリは先の月末に誕生日を迎え、26歳になっていた。
純粋そうで、そして綺麗な青い瞳をしている彼女は、性格もよさそうに思える。
机の上にあったピンクの花を取り上げて、そっと匂いを嗅ぐ。
(エリーヌは花は好きだろうか。贈れば喜んでくれるだろうか)
周りを見渡しながら彼女の好きそうな花を探してみる。
あまり大きな花弁のものは似合わないかもしれない、そう思って小ぶりの花を咲かせる珍しい植物の前にいく。
「君はなかなか育たないね」
その花は一度もまだ花を咲かせたことがなく、何度か栄養を与えているが青々とした葉を伸ばすだけでつぼみもできない。
しかし、アンリの知識上これは花を咲かせるものなのだが、何がいけないのか……。
横にあった栄養剤を調合して、霧吹きでまたかけてやる。
「──っ!!」
その時、部屋の外に見える廊下のほうにエリーヌの姿があるのが見えた。